ISO審査員の将来性は高い?おすすめ規格と今後伸びる分野を比較
この記事の3つのポイント
- ISO審査員の将来性は高いが、規格による需要の差などもある
- ISO規格の将来性を見るポイントは、現在・将来の市場の案件数や成長性、複数規格への広げやすさなど
- ただし規格の将来性だけでなく、自身の実務経験を活かせる規格を選ぶことも重要
職業としてのISOの審査員を検討している方にとって気になるのは仕事としての将来性ではないでしょうか。結論を言えば、将来性がある仕事だと言えるでしょう。
この記事では、ISO審査員の将来性についてまとめます。将来性があると言える理由や規格別の市場ニーズ、規格選びのポイントなどを解説します。ISO審査員になろうか考えている方は参考にしてみてください。
目次
ISO審査員の将来性は高いが規格による差もある
ISO審査員の将来性は高いと言えますが、規格による差も存在します。
将来性が高いと言える理由はいくつかあります。たとえば維持審査・更新審査により継続的な需要がある点です。さらに審査員不足もあり、今後も一定の需要が見込まれる点も理由と言えるでしょう。
ただし、規格によって市場の成長性や案件数は異なります。ISO審査員の将来性を考えるうえでは、「どの規格を選ぶか」が重要になります。
ISO審査員の将来性が高い3つの理由
ISO審査員の将来性が高いと言える理由について、具体的に詳細を見ていきましょう。以下の理由が挙げられます。
- 維持審査・更新審査が継続的に発生する
- 審査員不足が続いている
- AI時代でも価値を発揮しやすい仕事である
順に見ていきます。
維持審査・更新審査が継続的に発生する
まず、維持審査・更新審査が継続的に発生する点です。そもそもISOは、企業にとって取得することがビジネスチャンスにつながるため需要があります。さらに認証を維持するためには、認証取得後も定期的な審査が必要です。そのため、取得後も維持審査か更新審査を毎年受けることになります。
このように、ISOはストック型の需要があり、仕事が急に減るようなリスクがありません。
審査員不足が続いている
審査員不足が続いている点も将来性がある理由の一つです。
現在、審査員の高齢化が進んでいます。リタイアする審査員もいる中で、年齢を問わず品質管理などの経験を持つ人へのニーズがあります。正社員以外の勤務体系も可能で、定年を迎えたとしても続けて働くことができます。もちろん若い審査員も歓迎され、長期にわたって働くことが可能です。
人手不足が一気に解消される可能性も低く、中長期的な需要が期待できます。
AI時代でも価値を発揮しやすい仕事である
AI時代でも価値を発揮しやすい点も、将来性があると言える理由です。
AIによって書類確認などは効率化される可能性があります。一方で、組織の実態を踏まえた総合的な判断やコミュニケーションは審査において重要であり、AIに代替されない点でもあります。
このように、ISO審査員はAIに仕事を奪われるのではなくAIを活用しながら価値を発揮していく仕事と言えるでしょう。
ISO規格の将来性を判断する5つのポイント
ISO規格の将来性を判断するポイントは次の5つです。
- 市場の成長性(今後、新規認証が増えるか)
- 現在の案件数(今どれだけ需要があるか)
- 将来性(長期的な市場性があるか)
- 複数規格への広げやすさ(近い内容の規格があるか)
- おすすめ度(これから目指す人への総合評価)
将来性というと、市場が成長するかどうかが気になるかもしれません。上記の通りもちろんそれも判断のポイントですが、今後新規認証が増える規格が現在も案件数が多いとは限りません。その点は理解が必要です。
各種のISO規格については、以下の記事で解説しています。
ISOとは?わかりやすく簡単に解説【規格の種類・メリット・認証取得の流れ】
【徹底比較】ISO規格別の将来性・市場ニーズ
| 規格 | 市場の成長性 | 現在の案件数 | 将来性 | 複数登録 | おすすめ |
|---|---|---|---|---|---|
| ISO/IEC27001(ISMS) | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| ISO/IEC42001(AI) | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| ISO/IEC27017(クラウド) | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| ISO9001(品質) | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| ISO45001(労働安全衛生) | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| ISO14001(環境) | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
【ISO/IEC27001】情報セキュリティに関する規格
将来性:★★★★★
・IT企業を中心に認証企業数が多く、現在も審査案件が豊富
・ISO/IEC27017やISO/IEC42001など関連規格へ広げやすい
・将来性、案件数のバランスが最も優れている
【ISO/IEC42001】AIの適切な管理に関する規格
将来性:★★★★★
・AI活用の拡大により今後の需要増加が期待される
・現時点では認証企業が少なく、案件数はまだ限定的
・長期的な視点では有望な規格
【ISO/IEC27017】クラウドサービスの情報セキュリティに関する規格
将来性:★★★★★
・クラウドサービスの普及で需要が拡大
・27001取得企業が追加取得するケースも期待される
・今後伸びる可能性が高い
【ISO9001】製品・サービスの品質マネジメントに関する規格
将来性:★★★★☆
・新規市場は成熟している
・認証企業数が多く、現在も安定した審査案件がある
・製造業、建設業など幅広い業界で活躍できる
【ISO45001】労働安全衛生マネジメントに関する規格
将来性:★★★☆☆
・建設業・製造業を中心に需要がある
・新規認証は多くないが、一定の審査需要は継続している
・業界経験を活かしやすい規格
【ISO14001】環境マネジメントに関する規格
将来性:★★☆☆☆
・新規市場の成長は限定的
・更新審査や統合審査の需要はある
・最初の1規格として優先度は高くない
規格を選ぶ際は「市場性」だけでなく「実務経験」も考慮しよう
どの規格の審査員になるか考える際には、需要や将来性といった「市場性」だけでなく自らの「実務経験」に合うかどうかも考慮する必要があります。
ISO審査員は実務経験が評価される職種です。将来性の高い規格が、すべての人にとっての最適解とは限りません。逆に将来的な需要が横ばいでも、専門知識のある審査員が少なければ仕事がなくなることもありません。
規格選びでは、市場の将来性と自身の経験との相性の両方を考えることが重要です。以下に、職歴別のおすすめ規格を一覧でまとめます。
| これまでの経験 | おすすめ規格 |
|---|---|
| 情報システム・社内SE | ISO/IEC27001、ISO/IEC27017 |
| AI・DX・ITコンサル | ISO/IEC42001 |
| 製造業 | ISO9001、ISO14001 |
| 建設業 | ISO9001、ISO45001 |
| 品質保証・品質管理 | ISO9001 |
| 環境管理・EMS担当 | ISO14001 |
これからISO審査員を目指すなら最初におすすめの規格
これからISO審査員を目指す場合、ISO27001がおすすめです。具体的な理由を解説します。
ISO/IEC27001(ISMS)がおすすめな理由
ISO27001は情報セキュリティに関する規格で、適切な情報管理が求められる現在において案件数が豊富です。さらに現在だけでなく、今後の需要も期待できます。またISO/IEC27017やISO/IEC42001など、ほかの規格へ広げやすい点もおすすめできる理由です。
このように、ISO27001は「案件数」「将来性」「キャリアの広げやすさ」のバランスに優れており、新規で審査員を目指すならおすすめの規格だと言えます。
ただしIT経験がない場合は、自身の実務経験を活かせる規格を選ぶことも重要です。すでに述べた通りです。
ISO27001については以下の記事で解説しています。
ISO27001(ISMS)とは?要求事項や認証取得のメリットについて基本から解説します!
まとめ
ISO審査員は将来性の高い職種だと言えます。しかし規格によって市場の成長性や案件数は大きく異なります。そのため将来性を判断する際は、市場性やキャリアの広がりも重要です。
もしも条件が合うなら、ISO/IEC27001は総合的にバランスのよい規格でおすすめです。しかし最終的には、市場性と実務経験の両方を踏まえて規格を選ぶことが重要となります。
この記事を参考に自分に適する規格を選んで、審査員としての未来を検討してみてください。
0120-609-802