ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)
ISO9001 コラム
「ISOを取るといいらしい」と聞くことは少なからずあるかと思いますが、具体的にISO認証取得を検討する際には費用がどのぐらいか気になるものではないでしょうか。
必要な費用と取得によって得られるメリットを比較しないことには、取得するべきかどうかも判断できません。
この記事では、ISOの費用について、取得と維持に分けて解説します。
費用面から見たISOのメリット・デメリットについてもまとめるので、ISO取得を検討中の企業のご担当者様はぜひ参考にしてみてください。
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初めに、ISOの取得費用、すなわちイニシャルコストについて見ていきましょう。
ISOを取得するための費用は、大きく分けて次の3種類があります。
順に見ていきましょう。
システム構築費用は、コンサルタントに依頼する費用と社内の人件費が大部分を占めます。
コンサルタントの費用は50万~100万円程度、社内の人件費は担当者の人数・給与や業務に占める割合で変動します。
「システム構築」とは、具体的にはISO規格に合った業務のシステムを構築することです。
業務の内容を変えるというよりは、現在の業務をISO規格に当てはめるような作業です。
具体的には、不足しているルールや記録を増やしたり、不要な作業をカットしたりします。
構築の作業は規格を理解しているコンサルタントに頼むことが一般的です。
知見がある人材が社内にいれば自力でも可能ではありますが、コンサルタントを利用して短期間で効率よく構築する企業がほとんどです。
なお、ISO27001の場合のコンサルタントについては次の記事で詳しく説明しています。
ISO27001(ISMS)取得にコンサルタントは絶対必要なの?
認証審査費用はその名の通り審査にかかる費用で、適用範囲と業種で金額が変動します。
適用範囲とは認証の対象となる範囲のことで、全社のほか一部の部署などに限定することが可能です。
費用を考えるときは適用範囲の従業員数が目安になります。
なお費用はISOの種類でも若干違います。
以下、認証審査にかかる費用の大まかな目安を示します。
審査費用を決める要素は次の記事で解説しています。
ISO取得に必要な費用について【審査費用とコンサル費用】
ISO取得において、設備投資は基本的に不要です。
新たな設備を導入するくことなく必要なシステムを構築することができます。
そのため基本的には設備投資の費用は考慮に入れなくても問題ありません。
ISO9001、ISO14001の場合は、とくに考慮の必要がありません。
費用が必要になるとして金額はごくわずかで、せいぜい文書の印刷代程度です。
しかも文書を閲覧できるなら印刷せずデータでも問題ありません。
ISO27001でも基本的に不要です。
場合により、コンサルタントからセキュリティシステムの導入を勧められることがあるかもしれません。
例えばPCのアクセルログ取得ツール、オフィスのカギや監視カメラなどが考えられますが、これらを導入する場合はその費用がかかります。
次に、ISO取得後の維持費用、すなわちランニングコストについて解説します。以下の費用があります。
順に見ていきましょう。
まず、定期的な更新審査・維持審査の費用がかかります。
ISO認証の有効期限は3年です。
継続するためには、1年後・2年後に「定期審査」、3年目に「更新審査」を受けなくてはなりません。
更新審査の費用は認証審査の1/3程度、維持審査は同2/3程度が目安です。
これらの費用はランニングコストとして必須となります。
コンサルティングを受ける場合は、その費用も必要になります。
月額5万円前後からそれ以上が目安です。
ただしコンサルティングは必須ではありません。
新規の取得時にはコンサルティングを受けるのが一般的ですが、取得後は利用しない例も多くあります。
なおコンサルタントを継続して利用する目的はISOの維持が一般的ですが、構築したシステムを業務の効率化に役立てるアドバイスを受けるために利用しているケースもあります。
ISOのメリット・デメリットと費用を検討して、費用対効果が得られるかどうかをもとに判断することが不可欠です。
事情があって費用にかかわらず取得しなければならないこともあるかもしれませんが、そのケースでも費用面のメリット・デメリットを知っておくことは有益でしょう。
では、メリット・デメリットの順に見ていきます。
ISOの費用面のメリットや費用対効果を見る場合は、認証の費用対効果とシステム構築の費用対効果に分けて考えることが重要です。
以下に具体的なメリットを挙げていきます。
まず認証の費用対効果として考えられるものにISOが信頼感や安心感の根拠となって得られる広告・宣伝効果があります。
最終的には売上につながるという点もメリットです。
さらに入札条件を満たしてビジネスチャンスが増大するというメリットもあります。
これも認証の効果の1つといえるでしょう。
続いてシステム構築から得られるメリット・効果としては、業務の効率化による生産性向上が挙げられます。
収支面に限って言えば、導入・維持の費用を増加分の売上が上回るかどうかが大きな基準となるでしょう。
どのメリットも、具体的な金額についてはケースバイケースです。
自社の場合を算出して比較することが求められます。
次に、ISO取得の費用面におけるデメリットを見てみましょう。
まず、当然のことながら審査費用・維持費用が必要です。
企業規模にもよりますが、すでに見た通り取得して次の更新までの間に数十万から数百万円の単位でコストがかかります。
そのほか、マニュアル・文書など作成する必要があること、文書の維持管理が必要となることが挙げられます。
このように、維持するためには費用と労力の両方が不可欠です。
労力については、文書管理などが徹底されるため効率化される面がある一方で、上記のように増える作業もあるということになります。
この記事ではISO取得の費用について解説いたしました。
取得・維持には一定の費用が必要ですが、メリットも多いことがご理解いただけたのではないでしょうか。
自社にとって、メリット・デメリットのどちらが大きいか検討する参考にしてみてください。
もしも認証取得についてお悩みやご不明の点などありましたら、私どもジーサーティーにぜひお気軽にお問い合わせください。
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