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ISO45001を企業が取得する目的って?

2023.10.31
ISO45001を企業が取得する目的って?

ISO45001とは、日本語で【労働安全衛生マネジメントシステム】といい、その名の通り、働く人々の安全や衛生の仕組みに関するISO規格です。
英語の正式名称は【Occupational Health and Safety Management System Standard】で、その頭文字をとって【OHSMS】(OH&SMS)とも言われています。

本記事では、企業がISO45001取得する際にどのような目的が考えられるのかをご紹介します。

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まずそもそもISO45001とは?

ISO45001は業界や業種、企業であればその規模の大小を問わず、あらゆる職場において、安全な労働環境を整えるための枠組みを示しています。

働く人々の地位や権利についての見直し、企業や組織の取るべき施策や仕組みづくりが問われていくなかで、国際連合の専門機関である国際労働機関(International Labour Organization:略称ILO)の協力もあり、2018年に世界初の働く人々の労働安全衛生に関する国際標準規格であるISO45001が発行されました。

同じようなものを聞いたことあるけど?

ですが、それまでの世界で、働く人々の労働安全衛生に関する基準や考え方が存在していなかったわけではありません。
以下のような規格や基準が存在していました。

  • 国際標準化機構(ILO)指針
  • 厚生労働省指針
  • 中央労働災害防止協会(JISHA中災防)方式適格OSHMS基準

なかでも特にこのISO45001と比較されることが多いものとして、【OHSAS18001】というものがあります。

OHSAS18001は英正式名を【Occupational Health and Safety Assessment Series】といい、【労働安全衛生評価シリーズ、または労働安全衛生アセスメントシリーズ】と訳されます。
企業で働く人々が労働上の安全衛生に関し、リスクと対策を一覧化すること、また責任の所在を明確化することを目的に各種規定が定められていました。

ISO45001は、このOHSAS18001の内容を踏襲しながらも各種補強や内容の追加が行われ、世界初の労働安全衛生に関する国際標準規格として発行されました。
こういった発行背景から、ISO45001はOHSAS18001に代わるものとされ、事実ISO45001が発行した2018年にOHSAS18001は廃止が決定されています。
2021年がその有効期限と定められました。

そのISO45001を取得したらどうなるの?

ISO45001を認証取得しようとする企業の目的として、以下のものがあげられます。

ISO45001を認証取得しようとする企業の目的①従業員の欠勤や離職の低減、②保険コストの低減、③働く人々のモチベーション・士気・生産性の向上、④リーダーシップの強化

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

①従業員の欠勤や離職の低減

企業で働く人々の労働安全衛生を守るための仕組みをつくることは、働く人々の企業に対する満足度やロイヤリティを高めることに繋がります。
その結果、従業員の欠勤や離職を低減する効果が見込めます。

『人材の確保』は企業規模の大小を問わない共通のテーマと言えます。
その際、新たな人材の確保はもちろんですが、現在の人材の流出を防ぐことも重要です。

ISO45001の認証取得を通じて企業の労働安全衛生の仕組みをつくり整えることによって、組織の人的流動に関するリスクを低減することが可能です。
また、『労働安全衛生の仕組みが整備されている企業』として、有能な人材が集まりやすくなるでしょう。

②保険コストの低減

企業で働く人々が存在する以上、保険が発生します。
働く人々にとっては重要なポイントですが、経営者側からするとコストがかかるポイントにもなっています。

ISO45001の認証取得によって、そういった保険を適用しざるを得ない事態を未然に防ぐ企業の体制つくりが可能です。

ISO45001の規格要求事項には、労働安全衛生上での危険源の特定について触れられています。
また、その危険源に対する緊急事態への準備とその対応についても定めるよう求められています。

ISO45001を認証取得し、またそれを運用していく活動の中で、企業の業務遂行上で直面する各種危険源について特定がされ、働く人々皆がそれを危険源とするという同じ認識を持つことで、企業全体で取り組むことが可能です。
結果、保険コストの低減にも繋がり得るでしょう。

③働く人々のモチベーション・士気・生産性の向上

働く人々の率直な気持ちとして、何か仕事を任せられたり頼まれごとをするとその仕事への責任感と自覚が芽生えますが、ISO45001の認証取得と運用を通じてその気持ちをより高めることが可能です。

ISO45001では働く人々の労働安全衛生上の取り決めを行うだけでなく、その働く人々が「自ら」の姿勢で積極的に参加することが求められています。
また、そのためには企業の社長などトップが積極的に権限や役割を働く人々に割り振ることがポイントですが、これはISO45001の規格要求事項にもなっています。

これらによって企業の役割分担等の体系整理が行え、また働く人々のモチベーションや士気の向上に繋がります。
結果、各人の行う業務にハリが生まれ、生産性の向上に繋がり得るでしょう。

④リーダーシップの強化

③では働く人々の積極的な活動について触れましたが、ISO45001ではその上位に位置するリーダーシップについても定められています。
働く人々が積極的に活動するのはもちろんですが、それだけではなく、リーダーとなる人の活動がまず重要であるとISO45001では考えているからです。

現場の働く人々だけでなく、リーダーとなる人の取組みについても定められ、各人が活動を重ねることで企業の力が高まることをISO45001は要求しています。
またこれら現場の働く人々とリーダーとなる人の協同により、リーダーシップを発揮する管理層の人材の育成にも繋がり得ます。

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いかがでしたでしょうか。

上記のISO45001認証取得目的以外にも、単に『社員の労働安全衛生を守りたい』や、『社員の労働安全衛生に関する知識蓄積のツールとしたい』『自社の労働安全衛生に関する仕組みが世界標準規格のISOと比べてどうなのか知りたい』など、どんな思いやきっかけでも結構です。

専門コンサルタントの紹介も可能です。お問い合わせお待ちしております。

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西山 慎太郎
西山 慎太郎ISO審査員

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