ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)
ISO9001 コラム

ISO9001の取得には、どれくらいの期間がかかるのか──。
まず、検討段階で知りたいのは“スケジュールの目安”ではないでしょうか。
本記事では、ISO9001取得に必要な期間を「最短」「平均」という視点に絞ってシンプルに解説。
さらに、コンサル会社と審査機関の組み合わせによる期間の違いや、自力取得の場合にどれほど長くなるのかまで、最初に知っておきたい情報だけを厳選して紹介します。
目次
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ISO9001の取得にかかる期間は、企業の準備状況やコンサルタントなどによるサポート体制によっても変動しますが、おおまかな目安は最短6ヶ月、平均1年程度です。

コンサル会社に依頼した場合、前述の通り、最短で6ヶ月程度での取得が可能です。
一般的には平均6ヶ月~1年が目安となります。

自力で進める場合は準備に時間がかかるため、最短でも8~10ヶ月程度が目安です。
社内でQMS構築から審査対応まで行うため、平均で1~2年かかるケースも多く見られます。
ISO9001取得までの期間は、まず「準備期間」によって左右されます。
準備期間には、QMS(品質マネジメントシステム)の構築、運用、評価の3ステップが含まれます。

この後のセクションでは、準備期間に影響する具体的なポイントを解説していきます。
準備期間を短縮したいなら、コンサル会社へ依頼するほうが確実に早く進みます。
取得に必要な知識はもちろん、効率的に進めるためのノウハウが揃っているため、無駄なく構築を進められます。
一方、自力取得は時間がかかりがちです。ただし、過去に取得の準備や運用経験があり、コンサルに近い知識の担当者がいれば、短期間での準備・取得も可能です。
コンサル会社には大きく「代行型」と「アドバイス型」があり、この違いが準備期間を左右します。
一般的に早く取得できるのは代行型。
文書作成などの実作業を、コンサル側がノウハウに基づいて進めてくれるので、短期間で構築が完了します。
一方のアドバイス型は時間がかかりやすい傾向があります。
助言やチェックがメインとなるため、実際の作業は自社で行う必要があり、進行が遅れやすくなります。
自力取得の場合は、社内体制が期間に大きく影響します。
特に、担当者がどれだけISOの準備に専念できるか、さらに担当者以外の社員がどれほど協力的かがカギを握ります。
通常業務と並行して進める場合は、どうしても構築や運用に時間がかかります。
さらに、担当者以外の社員がISOの重要性を理解していないと、情報提供やルール運用に協力が得にくく、準備が遅れやすくなることも考えられます。
準備期間には、次のような要因も時間に影響します。
・従業員数や事業規模、適用範囲が大きいほど時間がかかる
→ 対象業務が増えるため作業量が多くなり、プロセスの把握や整理も複雑になりやすい。
・業務内容が複雑な場合は期間が延びやすい
→特に複数部署での業務連携が必要な場合は、ルール整備や調整に時間を要する。
ISO9001取得までのスケジュールは、準備期間だけでなく、審査機関による審査~認証までの期間にも大きく影響されます。どれだけ準備が整っていても、審査機関のスケジュールや審査プロセスの流れによって、実際の取得時期が前後するためです。
ここからは、審査期間を構成する要素を解説していきます。
ISO9001取得までの期間を短縮するには、認証機関の選定が要です。
まず、柔軟性が低く、古いスタイルのQMS運用を求める認証機関ほど時間がかかる傾向にあります。
既存の業務に合わない要求が多く発生し、追加対応が発生するためです。
一方、企業の現状に合わせたQMS構築を重視する機関であれば、現行プロセスをベースに判断してくれるため、過剰な手戻りが起こりにくく、審査がスムーズに進む可能性が高いです。
そのほか、以下の要素も取得スケジュールに影響を与えます。
・自社の業種に対する理解があるか
・担当者のレスポンスが早いか
・審査日の調整に柔軟で、人員に余裕があるか
これらを複合的に見ることで、「早い認証機関」かどうかの判断がしやすくなります。
審査にかかる期間には、実際の審査だけでなく、審査実施までの準備時間も含まれます。
具体的には、申請手続きや審査日の調整などが該当します。
また、初回審査は1次と2次の2段階構成で、その間には一般的に1ヶ月ほどの間隔が設けられます。
これらを踏まえると、申請から1次審査までの期間に加えて、1次から2次審査まで期間を合わせて、合計で2~4ヶ月かかるのが通常のスケジュールです。
2次審査が終わると、認証機関は最終的な判定会議を行い、認証可否を決定します。
この判定までには通常約1ヶ月程度かかります。
審査に合格後、認証書(認証されたことの証明)が発行されるまでの期間も認証機関により異なります。
早い認証機関であれば約1ヶ月、遅い認証機関だと2ヶ月以上かかる場合があります。
なお、審査で不適合が指摘され、是正処置の確認が必要になった場合は、その分スケジュールが後ろ倒しになる可能性があります。
ISO9001取得の流れは、「方針決定」から「認証取得」までおおよそ4つのステップに分かれています。
特に最短での取得を目指す場合、図のように1ヶ月ごとに明確な進行ステップがあり、スムーズに進めば6ヶ月前後での認証も可能です。
ここからは、4つのフェーズについて、それぞれの期間の目安と行うべき作業を解説します。
ISO9001取得のスタートとなるのが、この「方針決定と準備」のフェーズです。
まず、取得の目的・適用範囲・目標とする取得時期といった基本方針を固めます。
あわせて、プロジェクトチームの編成や担当者の決定も行います。
この段階で方向性と体制をしっかり整えておくことで、後続のステップが進みやすくなります。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
ISO9001を企業が取得する目的って?
このフェーズでは、ISO9001に沿った“具体的な仕組みづくり(QMS構築)”を進めます。
計画書、管理リスト、マニュアル、記録帳票など、必要な文書類を整備し、運用できる形に落とし込んでいきます。
内製で進める場合、担当者が未経験だと、短期間でこれらの文書を整備する負担は大きく、期間短縮が難しくなります。
一方、コンサルによるサポートがある場合は、テンプレートやノウハウが活用できるため、比較的スピーディに構築することができます。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
ISO9001の要求事項とは?わかりやすいコンパクトなまとめ【具体的内容と原則だけ】
構築したQMSを実際の業務で運用し、改善点を見つけていくフェーズです。
審査に向けて“動いている仕組み”を示す必要があるため、記録の作成や見直しも重要です。
・構築したシステムの運用を開始
・運用上の課題があれば改善へ
・各プロセスの記録(エビデンス)を作成
・内部監査を実施し、改善点を洗い出す
・トップマネジメントによるマネジメントレビュー(見直し・改善策の決定)
自力で行う場合、この工程は時間がかかりやすい部分ですが、コンサルに依頼する場合は運用ポイントや改善方法が的確に示されるため、短期間に抑えられるというメリットがあります。
このフェーズでは、ISO9001の取得に向けて、1次・2次の2段階の審査を受けます。
審査の過程で、要求事項を満たしていない点が見つかると「不適合」として是正処置が必要になります。
是正後の確認を経て問題が解消されれば、認証機関の判定を経て、正式にISO9001の認証取得となります。
審査日程の調整や是正対応の状況によって期間に差が出るため、3~6ヶ月程度を見込むのが一般的です。
ISO9001を最短で取得できるかどうかは、準備の進め方だけではなく、外部パートナーの選び方や、自社の体制づくりにも大きく左右されます。
ここからは、コンサル会社や認証機関の選び方、そして、自力取得を選ぶ場合に気をつけたい点を解説し、最短取得のために押さえるべきポイントを紹介します。
コンサル会社の選定はとても重要なポイントです。次の点を押さえると、スピーディな取得につながります。
・代行型のコンサルを選ぶと早い
→ 文書作成などをコンサル側が主導して進めるため、知識とノウハウに基づき迅速に構築できる。
・自社と近い業種・規模の支援実績があるか
→ 類似企業の経験があると、つまずきやすい点や効率的な進め方を把握しているため、より早く進みやすい。
・問い合わせへのレスポンスが早いかどうか
→質問や修正が滞るとスケジュールが遅れるため、対応スピードも重要な判断材料になる。
早期の認証取得を狙うのであれば、認証機関がどんな審査アプローチをとるかを把握しておきましょう。
・企業の現状に合わせたQMS構築を重視する機関を選ぶと早い
→ 現状の業務プロセスを尊重して判断してくれる機関のほうが、手戻りが少なくスムーズ。
・審査スケジュールの調整がしやすいか
→ 希望日に合わせて審査日を確保できる柔軟な体制があると、待ち時間が発生せず、取得時期が前倒しできる。
・やり取りのスピード感も重要
→ 質問への回答や確認作業が遅いと全体の流れが滞るため、レスポンスの早さは判断基準に。
自力でISO9001取得を進める場合は、社内体制や担当者のスキルが取得期間を大きく左右します。
・担当者の力量(QMSの知識・経験値)が重要
→ 経験が浅い場合、理解や文書作成に時間を要するため、短期取得は難しくなる。
・社内の協力体制が整っているか
→ 部署間の情報提供やルール運用がスムーズでないと、作業が停滞しやすい。
・経営陣の理解とサポートがあるか
→ 重要性が共有されている企業ほど全社的な動きが早く、周知・協力も得やすいため、取得までの時間が短縮される。
ISO9001の取得期間は、最短6ヶ月~平均1年程度と幅があります。
その差を生む最大の要因は「誰と進めるか」「どの認証機関に依頼するか」という外部パートナー選びにあります。
特に、迅速に対応できるコンサルタントと、柔軟でスケジュール調整しやすい認証機関を選ぶことは、期間短縮に直結する重要なポイントです。
また、自力取得を選ぶ場合でも、担当者の知識・経験や、社内の協力体制、経営陣の理解が揃っていれば、スムーズに進めることが期待できます。
自社の状況にあった“最適な進め方”を選び、効率的に認証取得を目指しましょう。
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