ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)

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ISO9001

ISO9001を企業が取得する目的って?

2023.10.23
ISO9001を企業が取得する目的って?

この記事の3つのポイント

  1. ISO9001の取得目的は成果を上げることではなく、そのための仕組みを作ること
  2. ISOの取得メリットはマーケティングだけではなく生産性の向上にも及ぶ
  3. 効果的な業務体制の構築により業績向上や不良の削減にもつながる

ISO9001を企業が取得する目的は、大まかに分けて「顧客要求に応える・入札条件を満たす等、競合他社との差別化を図って取引先を拡大する」というマーケティング視点の目的と、「自社内のマネジメントシステムを確立し、品質の向上・安定を目指す」というマネジメント視点の目的が考えられます。

本記事では、まずISO9001という規格のそもそもの目的をご紹介し、企業活動においてその目的に則してISO9001取得することによってどのようなメリットがあるのかを順番に解説いたします。

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ISO9001とは?規格自体の目的について

ISO9001とは、国際標準化機構ISO(正式名称「International Organization for Standardization」)が定めた品質マネジメントシステム規格で、品質管理の国際基準に基づき製品やサービスの品質を継続的に向上させることを目的としています。

簡単に言い換えると、ISOは「世界共通のものさし」を制定していて、ISO9001はその中でも「国際基準の品質を常に提供できるような社内体制(品質マネジメントシステム)を整え、顧客満足を目指す」ことが目的です。

ISO9001では、取得にあたって「要求事項」というクリアすべき項目が明記されていて、

ISO9001の要求事項:①業務のプロセスを明確ににしてルールを定める、②組織の方針と目標、達成のための計画を文書化する、③問題が発生したら是正する

といった内容になっています。

この要求事項に則ってルールを決め、運用することで先ほどお伝えした「国際基準の品質を常に提供できるような社内体制(品質マネジメントシステム)を整え、顧客満足を目指す」という目的が達成できるようになっています。

ただし、この要求事項はなにも「ISOの決めた型にはまるような活動をしなさい」というような厳しいものではなく、これまでの活動に合わせてマネジメントシステムを構築することも可能です。
ISO9001は言うなれば当たり前の企業活動をルール化したものであり、要求事項の意図している内容が理解できれば「もうすでに会社でやっている」ことの方が遥かに多いからです。

ISO9001を取得する際には、そのすでにこれまでの企業活動の中での確立されている取り決めや基準を文書化すればOKです。

例えば製造業の受注〜納品までを例に挙げると、

①受注
お客様から依頼を受け、仕様書や図面をもとに見積書を発行

②発注
無事契約がまとまったら製造に必要な資材や材料を発注

③製造
図面や仕様書(顧客要求)をもとに作成した予定表や工程表に従って製品を製造

④検査
出荷前に検査を行い、お客様に製品を納品

といったプロセスがあります。
このようなプロセスの中でどのような記録を作成し、案件の進捗管理をしているのかを文章にするだけです。
既存のマニュアル等がある場合は、品質マニュアルとしてそれらを取りまとめて一覧化した文書を作成します。

このようにISO9001を取得するために無理に何かをするのではなく、ISO9001の要求事項に照らして実務をより円滑にするためにブラッシュアップするという視点をお持ちいただくと、ISO9001をうまくご活用いただけるのではないかと思います。

ISO9001を取得する目的と考えられるメリット

すでにISO9001取得されている多くの企業では、ISO9001認証の取得を考えたきっかけは取引先からの要求や入札条件を満たすためなど、ある種「ISO9001取得しないといけなかった」から取得したというお話も多く伺います。

しかし、ISO9001を取得すると上記のようなマーケティング視点でのメリットだけでなく、マネジメント視点でのメリットもたくさんあります。
このことをしっかりと理解し、ISO9001取得の目的として掲げることができるとISO取得後にもより実用的でメリットの多い運用が可能になります。

以下で考えられるマネジメント視点でのメリットをまとめましたので、ぜひご参考ください。

生産性が高まる

ISO9001を取得するためには、これまで何となく行われていた「いつもの作業」を見直し、誰がいつ見てもどんな作業をどんな手順で行うかが分かるように明確化する必要があります。

これによってこれまで見過ごされていた品質に関わるマイナスポイントが明らかになり、生産性の向上が見込まれます。

特定の人に依存しない品質維持

作業手順が明確化されることで従業員の教育や入退職・人事異動時の引き継ぎが正しく行われ、品質を保ち続けることができます。

また、ベテラン・新人問わず、作業が明確化されることで、働く意欲や責任感・品質に対する意識のレベルアップにつながります。

継続的な品質改善

ISO9001は取得後も毎年審査を受ける必要があるため、常にPDCAサイクルを回して業務改善に取り組み、マネジメントシステムを正しく運用し続けることになります。

これによって継続的に品質が改善され常に最高の製品やサービスをお客様に提供できるようになります。

従業員満足度がアップする

ISO9001を取得する中で、「責任と権限」も明確化されます。
明確化された権限を持つ責任者が管理を行うことで、従業員が自身の役割を正しく認識できるようになり、現場の統一感が増して従業員のモチベーションアップにも繋がります。

ISO9001を取得するメリットについてはこちらの記事でさらに詳しくご説明しております。
併せてご参照ください。
ISO9001を取得するメリット・デメリット

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いかがでしたか?
ISO9001取得する目的は企業様によって様々かと思いますが、せっかく取得するのであれば取得することのメリットをしっかりと認識した上で、より意義のあるISO9001取得が目指せることが理想ですよね。
この記事がその一助となれば幸いです。

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辻野 久興
辻野 久興ISO審査員

主に品質マネジメントシステム/環境マネジメントシステムの審査員として活動しています。 審査では、お客様の緊張をほぐし、良い雰囲気作りを心がけています。 規格について分からないことがあればいつでも相談してください。

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