ISMS COLUMNISO規格の知識コラム(ISMS)
ISMS コラム

個人情報を管理するための規格・認証として広く知られているのがPマークです。
しかし審査費用が改訂されることとなり、別の情報管理の規格であるISMS(ISO27001)への乗り換えを検討している企業が増えています。
この記事では、PマークとISMSの違いや共通点、乗り換えるための判断のポイントや費用の比較などについて解説します。乗り換えを検討中の企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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Pマークの審査費用(申請料・審査料・付与登録料)が、2026年10月1日申請分より料金改定されることになりました。改訂前後の価格を表にまとめます。

新規・更新とも申請料が52,382円から57,200円と約5,000円値上げ、審査料+付与登録料は小規模の新規の場合で314,288円から336,600円と2万円以上の値上げです。継続するほど値上げ分のコスト上昇の影響が大きくなると言えます。
この改訂に伴い、ISMSへの乗り換えを検討する企業が増えています。

ISMSはPマークの代用になるのか?と疑問に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、結論から言うと代用できます。
Pマークは個人情報だけが対象ですが、ISMSは個人情報も含め情報資産すべてが対象となっています。そのためISMSでも個人情報を適切に管理できます。対外的なイメージという点でも、ISMSは国際的に認知された規格であり信頼度に問題はありません。
そのほかの違いについては、上記の表の通りです。
PマークとISMSの違いについては、以下の記事も参考になります。
個人情報保護が目的?ISO27001(ISMS)とプライバシーマークの違い
ISMSはPマークの代用になるだけでなく、場合によっては乗り換えることでメリットが得られます。
まず、ISMSは情報資産全般が対象となるため個人情報以外の情報管理も強化できます。またISMSは国際規格のため、海外との取引がある/検討中の場合にアピールにつなげやすくなるのもメリットです。
さらにISMSは関係する部署に限定して認証を受けることも可能なので、Pマークより範囲を狭めることができ運用の労力を減らせる可能性があります。
そのほか、これまでに大手企業や自治体などとの取引がある場合も、ISMSに乗り換えることはデメリットになりません。乗り換えがマイナスとなることはないと言えるでしょう。
とくに自社が以下に当てはまる場合は、ISMSへの切り替えがおすすめだと言えます。

自社の中で上記のような社内外の環境変化がある場合は、切り替えるよい機会かもしれません。
なおすでに述べたように、基本的にISMSに切り替えるデメリットはありません。
そのため、上記に当てはまらない場合でも、切り替えることでメリットが得られる可能性があります。
どのような企業がISMSを取得しているかについては、以下の記事が参考になります。
ISMS(ISO27001)認証の取得企業について知る!業種など特徴と検索方法とは

続いて、審査費用の比較を小規模の事業者を例に行ってみましょう。
なお「小規模」の具体的な大きさについて、Pマークでは業種によって異なりますが卸売業・小売業・サービス業では2~5人、製造業・その他で2~20人とされています。ISMSの方は15~20人弱程度を想定しています。
ISMSの審査費用については以下の記事が参考になります。
ISO27001の審査費用を解説!新規取得&審査機関の移転のポイントまとめ
初回の審査にかかる費用は、上記の表の通りPマークで336,600円、ISMSで50万~70万円程度です。
Pマークは認証を受ける企業の規模で金額が決まるので、どの認証機関でもこの金額です。
しかしISMSは認証機関により価格設定が異なります。実際にはこの金額の範囲から外れることもあるので、あくまで1つの目安とお考えください。
なお審査はPマーク・ISMSのどちらも文書と現場の両方に対して行われます。
ISMSは有効期限が3年で、1年後・2年後は維持審査が必要となり、小規模なら1回につき25万~35万円程度が目安です。Pマークは有効期限が2年ですが、1年後は内部審査だけとなるためその年の審査の費用は不要です。
更新審査については、Pマークは2年ごと、ISMSは3年ごとに行われ、それぞれそのタイミングで費用がかかることになります。
小規模の更新費用の金額は表にある通り、Pマークが244,200円、ISMSが40~50万円程度です。
それぞれ有効期限が異なるため比較しづらいのですが、取得/更新から次の更新までのサイクルの合計費用から1年あたりの金額を算出すると、次の表のようになります。

ISMSは有効期限が3年と長いのですが、維持審査が必要なこともありPマークより費用がかかります。
すでに述べたように、ISMSは認証の範囲を部署や支社など一部に限定することができます。
またISMSの審査費用は、適用範囲の従業員数など規模が決まります。
そのため、とくに情報管理が求められる範囲だけに限定するなど工夫すれば、費用を抑えることが可能となります。
コンサル費用については、認証を受ける企業の規模が大きくなるとISMSの方が高くなる傾向があります。しかし小~中規模の場合はそれほど差がありません。
小規模事業者の新規取得の場合で、Pマーク・ISMSともに50万~100万円程度が目安です。
また運用サポートの場合は、年間でPマークは50万~60万円、ISMSは30万~50万円程度です。
ただしPマークもISMSも、コンサルのサポートの内容や範囲により金額に差があります。
両者を比較したい場合は、同じ条件で見積もりを取りましょう。なおPマーク・ISMSともに、コンサルなしでも取得は可能ではあります。
しかし社内にノウハウのある人材がいない限り、コンサル依頼が現実的です。
ISMSのコンサル費用については、次の記事が参考になります。
ISO27001(ISMS)のコンサルタント費用は?取得・運用の両方について解説
乗り換えを検討する場合は取得の難易度の違いが気になるところですが、実はあまり変わりません。ISMSの方が難しいということはありません。
ただし労力がかかるポイントはやや異なります。ISMSは自社に合わせた文書を作成することに労力が必要です。
ただし自由度は比較的高いので、やりやすいとも言えます。一方Pマークは、文書や手順の決まりを順守することに労力が必要となります。
ルールを守ってさえいれば簡単とも言えますが、ルールを守り続けることは日常的な努力が不可欠です。
PマークからISMSへの乗り換えは、社内や周囲の環境に変化があるならメリットがあると言えるでしょう。
確かに費用はISMSの方がかかりますが、コストを抑える工夫も可能ですし場合によっては運用も楽になります。
Pマークの価格改定を機に、ぜひ自社の環境を点検して必要に応じて乗り換えを前向きに検討してみてください。
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