ISO14001
COLUMNISO規格の知識コラム(ISO14001)
「そもそもISO14001を取得するのに何から始めたらいいのかわからない」
中小企業の担当者の悩みは上記に尽きると思います。
そこで本記事ではISO14001取得に向けた準備についてご説明いたします。
ISO14001を取得するには企業規模に関わらずISO認証機関による審査を受ける必要があります。
その審査を受けるための準備として「JISQ14001にて記載されている要求事項を満たす」ための文書・記録類の新規作成が必要になってきます。
文書・記録類といっても必ずしも紙媒体である必要はございません。
昨今のペーパーレス化やネットシステムの普及により、データ媒体での対応も可能です。
次の項目では具体的な資料類について説明させていただきます。
他の規格にはなく、JISQ14001にて要求されているものは下記でございます。
他にも準備が必要なものはございますが、ISO14001取得の際に準備する代表的な資料類は上記5点でございます。
次からの項目ではそれぞれどういった資料なのかをご説明致します。
こちらは文字通り組織の環境に対する方針を示すものです。
方針には含まないといけない要素があり
組織の業務を継続的により良いものにしていく(1)事に関しており、環境への悪影響を減らし(2)組織の活動に関わる法律を順守する(3)上記3点を含む方針を作成することが規格で求められてます。
こちらも文字通り組織で掲げる環境に対する目標です。
目標にも含まないといけない内容があり
設定した目標は必ず達成しないといけないわけではありません。
ゴール(目標)をきめて取り組んでいく事が大切です。
こちらは「組織の活動の中で環境への影響があるものを洗い出したもの」です。
組織の活動に対するインプットを考え、その結果のアウトプットが環境に与える影響を洗い出す。
例えば、シュレッダーの使用で考えてみましょう。
さらに洗い出した環境側面の中から、環境への影響がより大きいものを「著しい環境側面」と定め、維持管理又は、低減、防止できるように目標管理して取り組んだりします。
頭が痛くなりますね。
ですが、環境側面を洗い出す際は「組織のライフルサイクル」の視点が考慮されます。
簡単にいうと「どこまでやるかは組織が決定してよい」ということです。
年に一度しかしないような業務まで含んでも良いです。日常の業務に関する事のみ取り組むでも良し。
組織独自の対象範囲を設定してよいということです。
順守義務とは守らなければならない法律・条例・規則のことを指します。
洗い出した環境側面に対して付随する、順守義務を洗い出し組織に関わるものはしっかりと守っている事を示す資料の作成が必要となります。
上記で例に挙げたシュレッダーの使用を例に挙げると
ざっくりとした例ですが、このように関わってくる順守義務を洗い出し違反をしていないか自社で評価しないといけません。
評価とは
上記2点を指します。
順守義務を理解し、対応が必要なものには必要な処置を取れているかどうかを評価します。
順守義務が守られていない場合には、罰則が課せられる場合もあります。
こちらは非日常的に発生する可能性のある環境側面(緊急事態)への取り組みを考えておきましょう。といった内容です。
非日常的な環境側面とは
などといった非常事態が該当します。
取り組みの計画としては
といった流れで作成していく必要があります。
例えば天災が発生してしまった際、避難経路や避難場所等を周知していないと、2次災害の発生の可能性が上がりますよね?
そういったリスクを可能な限り減らすための取り組みをしている必要があります。
前項ではISO14001を取得するうえで独自に必要となる資料についてご説明致しました。
ですが、上記のみを準備すれば審査を受けれるわけではないです。
その他の資料としては
など様々ございますが、組織様で元々使用されている会議資料や組織の名簿を、上記の資料のとして使用できる場合もございますので、改めて資料を作成する必要がないケースもございます。
如何でしたでしょうか?
本記事を読んでいただき、「自社で何とか用意できそうだ」「ちょっと専門の方の助言がないと厳しそう」など、中小企業様のISO14001取得に向けた行動へのほんの少しでもお助けとなりましたら幸いです。
マネジメントシステムの中でも特に環境側面をマネジメントし、順守義務を満たしてリスク及び機会に取り組むために用いられるものです。
「環境側面」とは、環境と相互に作用する又は相互に作用する可能性のある、組織の活動又は製品サービスの要素と規定されています。
組織を取り巻く環境(近隣住民・従業員・消費者・自然環境)などに影響する可能性がある、組織の活動や製品及びサーボスの要素を指します。
「環境影響」とは、有害か有益問わず、全体的に又は部分的に組織の環境側面から生じる、環境に対する変化を指します。
「環境活動」とは、省エネやごみの減量、環境に配慮した(環境への負荷を減らす)活動のことです。
「環境マネジメントシステム」とは、そもそもごみを減らすための仕組みの運用やエネルギーの使用量を減らすためのシステムのことです。
一見同じように見えますが、ISOは結果よりも過程を重視するため、結果が出るまでの前提や過程に重きを置いている点に違いがあります。
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