ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)
ISO9001 コラム
IATF16949とは、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステムの要求事項を規定したものです。
本コラムではIATF16949について詳しく解説するとともに、ISO9001(品質マネジメントシステム)との違いについてもご紹介致します。
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IATFとはInternational Automotive Task Forceの略で日本語では「国際自動車産業特別委員会」と言います。
委員会は自動車メーカー9社(GM、クライスラー、ダイムラー、BMW、フォルクスワーゲン、フィアット、ルノー、フォード、プジョーシトロエン)と自動車産業団体5社(アメリカ、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス)で構成されています。
※日本国内のメーカーは参入していません
IATF16949とは、先述の通り自動車産業の国際的な品質マネジメントシステムの要求事項を規定したものです。
ISOにも品質マネジメントシステム(ISO9001)がございますが、IATF16949はISO9001をベースに自動車産業に特化した要求事項を加えた国際認証規格です。
ISO9001の要求事項に加えIATF16949の要求事項も加わり計400近い要求があります。
そのためはじめからIATF16949を取得するのではなく、ISO9001を取得してからIATF16949の取得に向け行動するケースが大多数を占めています。
発端は1994年にさかのぼり、自動車メーカー統一の製品企画を設けることを目的に米国ビッグ3と言われるフォード・モーター、ゼネラルモーターズ、ダイムラークライスラー(現・クライスラー)によってISO9001をベースにしたQS-9000が作成されたのが始まりです。
その後「ISO/TS16949:1999(TS-1)」ISO/TS16949:2002(TS-2)」など様々な改訂が加わり現在は「ISO/TS 16949:2016」として運用されています。
ISO9001をベースに作られている認証規格ですので、歴史としてはまだ30年も満たしていませんが、世界中で約40000件もの企業が取得している規格になります。
IATF16949を取得すると、外部的なメリットと内部的なメリットを得られます。
外部的なメリットとしては、自動車産業の業界内における信頼性・信用が高まることにあります。
取得をしている事で、一定レベルの品質管理がされている・高い品質を維持しようという姿勢が強い組織であると認識できるからです。
(要求事項が非常に細かい為、通常のISOマネジメントシステムと比較しても非常に難易度も高いです)
その信頼を得る事で、様々なグローバルな受注・取引が見込めると考えられます。
内部的なメリットとしては、このシステムが効果的に運用・機能することによって、組織の提供する製品の品質維持向上に繋がります。
そして、無理や無駄を極力なくす事で業務効率の改善も見込まれます。
その取り組みを通して、従業員の意識向上やスキルアップに繋がる期待もあります。
ISO9001は「品質」のマネジメントシステムの要求事項であり、特定の分野にフォーカスした認証規格ではなく、建設業や製造業や販売業など様々な分野で認証が行われています。
一方、IATF16949は品質の中でも自動車に関連する部品を製造している事業に適用され、その他の分野では取り扱われていません。
ISO9001では少し曖昧な要求を求めている部分がありますが、IATF16949では実施内容をより明確にした要求事項が含まれています。
一般的な品質とは違い、自動車部品等はより高度な品質や精度が要求されます。
また、ISO9001では発生した不良に対する改善活動を重要視していますが、IATF16949では不良を発生させないこと、つまり不良の発生を予防することを重要視しています。
ISO9001についてはこちらの記事でさらに詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
ISO9001(品質マネジメントシステム)とは?要求事項や認証取得のメリットについて基本から解説します!
冒頭でも申し上げましたが、IATF16949は自動車部品に対する認証です。
自動車業界サプライチェーンの組織なら、IATF16949の認証審査を受けることが可能です。
IATF16949の認証手法としてはISOと同じく第3社機関による認証が行われており、日本国内にも様々な認証機関があって特色も様々です。
※弊社(GCERTI-JAPAN)ではIATF16949の認証を行っておりません。
審査を受審する側の条件としては
の3つの要求事項を網羅し、対応している運用体制が必要になります。
次項でIATF16949の要求事項を詳しく見ていきましょう。
IATF16949の要求事項は大きく分類して
の3つを要求しています。
サプライチェーンにおけるバラつきとは、同様の製品を作成する会社でも生産工程に置ける監視方法は各企業で様々違います。
品質管理においては生産工程は同じでも管理方法が違うと成果物の品質は大きく変わってくるため、そういったバラつきを無くすためにIATF16949の要求事項にサプライチェーンの管理が含まれています。
継続的な改善に関しては、ISO9001でも要求事項として存在していますが、PDCAサイクルを回すことにより、より良いシステム・体制づくりを求めています。
上記の要求事項を満たし構築・運用していくためには6つのコアツールを導入し運用していくことが重要になります。
6つのコアツールについては下記をご参照ください。
6つのコアツールはそれぞれが密接に関係しており、また規格の要求事項に密接に関係しています。
IATF16949を構築運用していくうえで、それぞれのコアツールの関係性や仕様についての理解を深めることは必要不可欠になります。
※APQPとCPを一つととらえ5つのコアツールと呼ばれることもあります。
審査サイクルはISOと同じく1年ごとの認証維持審査と3年に一度の再認証審査にて登録の維持を行います。
いかがでしたか?
今回はIATF16949について詳しく解説するとともに、ISO9001(品質マネジメントシステム)との違いについてもご紹介してまいりました。
本コラムがIATF16949を理解するための一助となれば幸いです。
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