ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)
ISO9001 コラム
「ISOはもう時代遅れでは?」。そんな声を耳にする機会があります。
しかし実際に問題視されているのはISO規格そのものではなく、“昔ながらの運用方法”であるケースが少なくありません。書類作成が目的化していたり、審査前だけ慌てて対応したりする状態では、現場の負担やムダを感じるのも当然です。
この記事では、ISOが「時代遅れ」と言われる理由を整理しながら、形骸化しやすい企業の特徴、そして今の時代に合ったISO運用のポイントなどを解説します。
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ISOが「時代遅れ」と言われる背景には、書類作成ばかりが重視されるイメージや、審査対応の形骸化、現場負荷の増大などが挙げられます。また、古い運用方法を引きずっている企業も少なくありません。
ここからは、その具体的な理由を掘り下げていきます。
ISOが「時代遅れ」と言われる理由の一つに、“文書主義”のイメージがあります。作成・記録・保管しなければならない文書が多いという印象を持たれやすく、スピード感重視の現代のビジネスと合わないと感じる企業も少なくありません。
さらに、マニュアル通りの運用が重視されることで柔軟な更新がしづらく、「時代の変化に追いつけない」というマイナスイメージにつながりやすい傾向があります。
日常的な運用や審査対応にかかる手間も、「ISOの負担が大きい」と感じられる理由です。
特に、次のような業務は現場の負荷になりやすいでしょう。
・文書の作成や管理、保管
・内部監査や維持審査、更新審査への対応
・定期的な社内教育の実施、受講
・文書更新や記録管理の継続
このような負担が積み重なると、更新漏れや記録不足が発生しやすくなり、結果として「ISO運用の形骸化」につながることがあります。
ISO規格は時代の変化に合わせて定期的に改訂されています。しかし、運用方法が昔のままでは、現在の規格が持つ柔軟性を活かせず、負担の大きい“時代遅れの運用”になってしまいます。特に、長年担当者が変わっていない企業では、過去のやり方が慣習として残り続けるケースも考えられます。
書類作成や管理に大きな負担を感じている場合は、規格そのものではなく、古い運用方法を引きずっている可能性があるため、見直しが必要です。
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ISO9001は意味ない?よくある理由と自社に原因がある場合の改善策も解説
実際には、ISOそのものよりも「形骸化した運用」が問題になっているケースが少なくありません。長年認証を維持していたり、コンサルタントの支援を受けていたりすると、審査で指摘を受けないこと自体が目的になりやすくなります。
その結果、審査前だけ準備を進めたり、改善活動よりも“指摘されないための対応”を優先したりする傾向が生まれます。内部監査も形式的になりやすく、こうした状態が続くとISOが無駄なものに見え、「時代遅れ」という印象につながってしまいます。
ここまで見てきた「時代遅れ」と言われる理由の多くは、ISO規格そのものではなく運用方法に起因しています。実際、現在のISO規格は以前より柔軟性が高まっており、必ずしも多くの書類や厳格なルールを求めているわけではありません。ではなぜ負担や形骸化が起こるのでしょうか。
ここからは、ISOが時代遅れに見えてしまう運用上の問題について詳しく解説します。
かつてのISOには、詳細な手順書やマニュアルを重視する傾向がありました。しかし、現在のISO規格は時代の変化に合わせて定期的に改訂され、以前よりも柔軟に運用できるようになりました。必須文書の考え方も見直され、必要以上に書類を作成・管理しなくても認証の取得や更新は可能です。
そのため、書類の多さや運用負担を理由に「ISOを時代遅れ」と考えるのは適切ではなく、規格そのものより運用方法に目を向けることが大切です。
▼以下の記事でも詳しく解説しています。
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現在のISOは、柔軟に運用できる仕組みへと変化していますが、長年認証を維持している企業ほど、過去の運用方法をそのまま続けているケースが少なくありません。
こうした“古い運用”には、現在では不要な作業や過剰な管理が含まれていることもあり、現場の負担を増やす原因になります。また、運用期間が長いほど問題点に気づきにくくなる傾向があります。重要なのは、運用方法を見直し、自社や時代に合った「負担の少ないスタイル」へと切り替えることです。
現在でも、文書や記録を紙やExcelで管理している企業は一定数存在します。しかし、こうした手作業中心の運用は負担が大きく、さまざまな問題が発生しやすくなります。
手作業による問題例
これらの運用上の問題は、管理方法やルールを見直すことで、負担の軽減につながります。
長年ISO認証を維持し、更新審査も問題なく通過していると、「このままで十分」という意識が生まれやすくなります。その結果、本来の目的であるリスク管理や継続的改善よりも、認証の維持や更新そのものが目的化してしまうことがあります。すると、「審査に通るかどうか」が優先され、実際の業務に必要か、有益かという視点が薄れてしまいます。
このような状態では、ISOシステムと現場の運用にズレが生じ、形骸化を招く一因となります。
ISOが形骸化しやすい企業には、いくつか共通する特徴があります。次のような状態に当てはまる場合は、運用方法を見直す必要があるかもしれません。
こうした状態が続くと、ISO本来の効果を得られず、「維持するだけの仕組み」になる恐れがあります。
ISOを時代や自社にマッチした仕組みとして活用するには、従来の「認証維持のための運用」から脱却することがポイントです。
ここでは、負担を抑えつつ効果を高めるために必要な「ISO運用の考え方」を紹介します。
実際の業務に合わせた運用を行うことも、ISOの有効活用につながります。
もちろん審査に通ることは必要ですが、それだけを重視すると、現場の実態とかけ離れたルールや仕組みになりかねません。それが運用負担の増加や、形骸化の原因になります。
一方で、実務に即したシステムであれば、業務の標準化や改善といったISO本来のメリットを得やすくなります。現場で自然に活用される仕組みづくりが、形骸化を防ぐポイントです。
文書を必要最小限にすることも、ISO運用の効率化を後押しします。
文書を必要最小限にするべき理由
文書は、“現場で活用される形”として整理することがポイントです。
▼以下の記事でも詳しく解説しています。
ISOにおける文書管理の基本事項と押さえておくべきポイント
“ISOのためだけの作業”をなくし、日常業務と一体化させることも重要です。
例えば、審査のためだけに記録を作成したり、現場で管理している内容と同じ情報をISO用に別途記録したりする運用は、非効率的です。
日常業務で使用している記録やデータをそのままISO運用や審査に活用できれば、余計な作業を増やさずに済みます。ISOを特別な仕組みではなく、業務の一部として運用することを意識しましょう。
ISOを効果的に活用するには、認証の維持を目的とするのではなく、自社の課題解決や目標達成につながる仕組みとして運用することが重要です。
そのような視点で運用することで、ムダな作業や実態に合わないルールを見直しやすくなり、リスク管理や業務改善、顧客満足度の向上といった効果も期待できます。また、規格要求を満たしながらも、認証取得・維持そのものを目的化しない運用につながります。
ISOを経営改善のためのツールとして活用することが、形骸化を防ぐポイントといえるでしょう。
ISOが「時代遅れ」と言われることがありますが、その原因の多くは規格そのものではなく、運用方法にあります。担当者任せや現場不在、更新されないルールなどによって形骸化が進むと、ISOは負担ばかりが目立つ仕組みになってしまいます。
しかし、現在のISOはフレキシブルな運用が可能です。実態に合わせた仕組みづくりや文書の最適化、業務との一体化を進めることで、負担を抑えながらリスク管理や業務改善といった本来の効果を得られます。
今こそ「認証維持のためのISO」から、「自社の成長に役立つISO」へ見直してみてはいかがでしょうか。
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