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【ISO27001(ISMS)の取得とコンサル】自社に最適な方法の選び方

2026.07.14
【ISO27001(ISMS)の取得とコンサル】自社に最適な方法の選び方

この記事の3つのポイント

  1. コンサル利用が向いている企業は、専任担当者がいない、短期間で取得したい、実態に合うISMSを構築したい
  2. コンサルは構築に、ツールは運用に向いている
  3. コンサル/ツール選びのポイントは、サービス範囲、実績・評価、サポート体制取得後の運用

ISO27001(ISMS)の取得を検討し始めたとき、「コンサルは本当に必要なのか」「自社だけで対応できるのか」と悩む企業は少なくありません。実際には、企業規模や体制、目指す運用レベルによって“最適な進め方”は異なります。

本記事では、コンサルが担う役割や利用が適している企業の特徴を整理したうえで、ツール活用との違いや注意点などを解説します。また、審査機関の立場から、特定のサービスに偏らず、自社にマッチしたISO27001取得・運用方法の選び方も紹介します。

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ISO27001(ISMS)取得でコンサルがしてくれること

ISO27001(ISMS)取得コンサルは、企業の現状に合わせたISMS構築をサポートします。具体的には、次のような支援を行います。

  • 構築支援:現状分析をもとにISMS基本方針や構築計画を策定
  • 文書整備:規程・手順書・記録様式など必要文書の整備
  • 運用設計:自社業務に合わせた運用ルールづくりを支援
  • 審査対応:内部監査や審査前準備のサポート、一部では審査立ち会いも実施

ただし、支援範囲はコンサル会社や契約プランによって異なります。実務作業まで代行する会社もあれば、アドバイス中心で実際の対応は自社で進める必要があるケースもあるため、依頼前にどこまでサポートしてもらえるのかを確認することが大切です。

コンサル利用が向いている企業

ISO27001(ISMS)は自社だけで取得することも可能ですが、コンサルを活用したほうがスムーズな場合があります。特に、担当者の負担を抑えたい企業や、短期間での取得を目指す企業、自社業務に合った実効性のあるISMSを構築したい企業は、コンサル利用が向いているといえるでしょう。

ここからは、コンサル利用が適している代表的なケースを紹介します。

以下の記事でも詳しく解説しています。
ISMS認証を取得するのにコンサルは必要か

専任担当者がいない

ISO27001(ISMS)の取得には、規格理解や文書整備などの専門的な知識が必要です。しかし、社内にISO取得経験者や情報セキュリティの専門人材がいない企業も多いでしょう。未経験者が通常業務と並行しながら学び、自力だけでISMSを構築・運用するのは事実上不可能といえます。また、知識を持つ人材がいたとしても他業務で多忙な場合は、計画通りに進まないケースが考えられます。

このような企業では、コンサル活用が有効な選択肢となります。

短期間で取得したい

取得を急ぎたい場合もコンサル活用が有効です。担当者が他業務と兼任している場合、ISMS対応だけに十分な時間を割くことは難しく、準備が長期化しやすくなります。また、専任担当者がいたとしても、規程類などの文書をゼロから整備するには相応の工数が必要です。

一方で、コンサル会社では文書テンプレートを保有しているケースが多く、実務作業を一部代行してくれる場合もあります。また、審査で指摘されやすいポイントを把握しているため、対策漏れを防ぎながら効率的に取得を進めやすくなります。

実態に合うISMSを構築したい

ISO27001(ISMS)では、規格要求を満たしながら、自社の業務実態に合った運用体制を構築することが重要です。しかし、要求事項を理解し、自社の業務フローや組織体制に落とし込む作業のすべてを自社だけで行うのは容易ではありません。

その点、経験豊富なコンサルであれば規格の要求事項と企業側の要望・実情の両方を踏まえて、無理のないISMS構築をサポートできます。また、実態に合わないISMSは、取得後の運用負荷が大きくなり形骸化しやすいため注意が必要です。“認証取得後を見据えた設計”を意識しましょう。

ISO27001(ISMS)でツールはコンサルの代わりになる?

近年は、ISO27001(ISMS)の取得・運用を支援するさまざまなツールが提供されており、コンサルが担っていた業務の一部を代替できるようになりました。特に、文書管理や記録運用、進捗管理など運用フェーズとの相性は良好です。

その一方で、ISMS構築そのものを支援するツールもあるものの、規格要求を踏まえた全体設計や、自社実態に合った調整については、コンサルに比べると対応が難しい傾向があります。

以下の記事でも詳しく解説しています。
ISMS(ISO27001)取得の難易度は高い?難点をクリアする方法も解説

コンサルとツールの違い・注意点

図)コンサル?ツール

コンサルとツールは、どちらもISO27001(ISMS)取得・運用を支援する手段ですが、得意分野や注意点は異なります。自社にそぐわない選択をすると、取得後の運用負荷や形骸化につながるリスクもあるため、双方の特徴を理解して選択することがポイントです。

それぞれの特長を詳しく見ていきましょう。

コンサルは取得向き

取得する段階では、コンサル活用が有効になりやすい傾向があります。

ISMS構築では、規格要求を満たしつつ、自社の業務実態や運用方針にも合わせる必要がありますが、これらを両立しやすいのが専門知識と経験を兼備したコンサルです。また、審査で指摘されやすいポイントを踏まえた対策支援や、審査当日の同席サポートを行う会社もあり、認証取得をスムーズに進めやすくなります。さらに、多くのコンサルサービスは取得までのサポートを中心に設計されています。

ただし、ISMS構築ツールはテンプレート型が多く、自社実態に合わせづらいケースもあります。

ツールは運用向き

運用フェーズでは、ツールの活用が効果を発揮しやすくなります。

例えば、システムの証跡管理、教育記録、リスク台帳、内部監査の進捗管理など、日常的な記録・管理業務はツールとの相性が良い分野です。

ISMSは構築後、定期的な記録更新や確認作業など、同じ業務を継続的に行うシーンが多くなるため、ツールによる自動化・効率化が運用負荷の軽減につながります。また、対応漏れや記録忘れなどのヒューマンエラー防止や、業務の属人化を防ぐ効果も期待できます。

コンサル依存のリスク

コンサルは、取得を効率的に進められる一方で、“依存のしすぎ”には注意が必要です。実務の多くを代行してもらうほど担当者の負担は軽減されますが、その反面、社内にISMS運用の知識やノウハウが蓄積されにくくなるリスクが発生します。

また、認証取得だけを優先したサポートでは、実際の運用を十分考慮しないまま不要な文書や手順が増えてしまうケースも考えられます。なかには企業実態に合わないテンプレート文書をそのまま適用するケースもあるため、注意が必要です。

ツール導入だけでは失敗するケース

ツールは便利ですが、導入するだけで認証取得や適切な運用が実現するわけではありません。特に、次のようなケースでは失敗につながる可能性があります。

  • ISMS設計やリスク評価を判断できる担当者がおらず、自社に合わせたルール調整ができない
  • 現場業務を理解する担当者が関与せず、実態と乖離したルールになる
  • 「ツールを導入すれば取得できる」と考え、取得後の運用がおろそかになる
  • 運用体制を考えずに導入し、結果的に運用が定着しない

ツールはあくまで運用をサポートする手段です。自社に適したISMS設計や継続運用についても意識するようにしましょう。

ISO27001(ISMS)でのコンサル/ツール選びのポイント

ISO27001(ISMS)では、コンサルとツールのどちらを選ぶかだけではなく、「どのサービスを選ぶか」も重要な視点です。自社にマッチしないサービスを選ぶと、取得までに想定以上の負担が発生する原因にもなります。

コンサル会社やツールを比較する際は、これまで紹介した特徴や注意点を踏まえつつ、特に次のポイントを確認することが大切です。

以下の記事でも詳しく解説しています。
ISO27001(ISMS)のコンサルタント費用は?取得・運用の両方について解説

サービス範囲はどうか

コンサルやツールを選ぶ際は、「どの工程を、どの程度サポートしてくれるのか」を確認することがカギになります。

例えば、現状分析、文書作成、社員教育、内部監査など、対応範囲はサービスごとに異なります。また、コンサルなら実務を代行するのかアドバイスのみなのか、ツールならどのように運用を支援するのか、問い合わせサポートがあるのかなど、支援の深さにも差があります。

自社が不足している部分を補えるかを基準に確認しましょう。

実績・評価はあるか、高いか

実績や利用者からの評価も意識しましょう。次のようなポイントが参考になります。

  • 支援実績のある企業数・導入件数
  • 口コミや利用者の声などの評価
  • 認証取得率や更新審査の通過率
  • 自社と近い業種・規模での支援実績の有無

特に、自社に近い業態での実績がある場合は、業務実態に合わせたISMS構築や運用ノウハウを持っている可能性が高く、より実践的なサポートが期待できるでしょう。

サポート体制が自社に合うか

コンサルやツールは、支援内容だけでなくサポート体制も重要です。例えば、問い合わせへのレスポンス速度や説明の丁寧さは、導入後の使いやすさに大きく影響します。コンサルの場合、小規模な会社では担当者が多くの企業を兼務しており、対応が遅れるケースもあります。

また、ツールでは操作サポートのみなのか、取得・運用に関する相談も対応しているのか、対応時間や追加費用の有無も事前にチェックしておくと安心です。

ただし、自社に知見のある担当者がいる場合は、過度に手厚いサポートは不要なことも。必要な支援内容と費用のバランスを見ながら取捨選択することがポイントです。

取得後の運用まで見据えられるか

ISO27001(ISMS)は、認証取得そのものではなく、取得後に継続運用していくことが大切です。そのため、コンサルでは“取得だけ”を目的とした支援になっていないか、ツールでは運用フェーズでも活用できる機能があるかを確認する必要があります。

また、いずれも文書やルールを自社実態に合わせて調整できるか、必要以上に文書が増えすぎないかも重要な判断ポイントです。

取得だけを優先して構築されたISMSは形骸化しやすくなります。「継続しやすい仕組みを構築できるか」という視点を念頭に置き、正しい選択をしましょう。

コンサルもツールも自社に合わせて賢く利用しよう

「コンサルが必要か」「ツールだけで十分か」に正解はありません。最も意識すべきなのは、自社の体制や知識レベル、取得後に目指す運用に合わせて適切な方法を選ぶことです。コンサルは取得支援に強みがあり、ツールは継続運用の効率化に役立つなど、それぞれ得意分野が異なります。また、サービス範囲やサポート体制、運用のしやすさまで含めて比較・検討することも重要です。

自社に最適な方法を選ぶことができれば、ISO27001は単なる認証取得ではなく、情報セキュリティ強化につながる仕組みとして活用できるでしょう。

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早坂 駿汰
早坂 駿汰ISO審査員

日々の審査を通じ、 知識の拡大に奮闘しております。 前職で培った丁寧さを持ち前に、お客様に寄り添う審査員として活動していきたいと思っております。

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