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ISO27001とPマーク自社に合う方の選び方を解説します

2026.07.13
ISO27001とPマーク自社に合う方の選び方を解説します

この記事の3つのポイント

  1. ISO27001は情報の取り扱いに関する規格 Pマークは個人情報に限定した規格
  2. どちらが適しているかは、扱う情報、取引先、継続できる社内体制などをもとに検討
  3. 運用フェーズでは、ISO27001はPDCAを回し続ける必要、Pマークはルールを順守する必要がある

対外的にアピールできる情報管理の規格としては、ISO27001(ISMS)とPマークが代表的です。しかし両者の違いが理解できないと、自社にとってどちらが適しているのかわからないものではないでしょうか。

この記事では、ISO27001とPマークの違いに加えて、自社に適しているのはどちらか判断する基準についても解説します。両者のどちらを取得するか検討中の企業のご担当者様は参考にしてみてください。

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ISO27001とPマークの違い

ISOのうち情報の取り扱いに関する規格に該当するのが「ISO27001」です。
ISO27001は「ISMS」と呼ばれることもあります。これに対して「Pマーク」は個人情報に限定した規格です。
Pマークは略称で、正式には「プライバシーマーク」と呼ばれます。両者には情報に関する規格であるといった共通点もありますが、別の団体が認定する別の規格です。違いを図にまとめました。

 ISO27001とPマークの違い

そのほか、表にはありませんが費用の違いについて軽く補足します。
新規取得の場合ISMSの費用は50万~200万円が目安で、Pマークは314,288~1,257,144円です。
ただしPマークは2026年10月より料金が改訂され、336,600~1,382,700円となります。
なおISO27001は認定機関により価格設定が異なります。ISO27001もPマークも、認証を受ける範囲の規模などにより金額が異なります。

ISO27001とPマークの違いについては、次の記事で詳しく解説しています。
ISMS(ISO27001)とPマークの違いを比較!どちらがおすすめかもケース別に解説

またPマークの費用改定については以下の記事で解説しています。
Pマーク審査費用の改定に伴い、ISMSへ乗り換える企業が増えている?

自社はISO27001とPマークのどちらを選ぶべき?

大まかな違いを確認したところで、自社はISO27001とPマークのどちらを選ぶべきか判断する基準について解説していきます。ただし1つの基準だけでなく、複数の基準から総合的に判断することが大切です。

どのような企業がISO27001を取得しているかについては、以下の記事が参考になります。
ISMS(ISO27001)認証の取得企業について知る!業種など特徴と検索方法とは

個人情報中心か、情報資産全体か

まず、自社が扱う情報の種類が判断基準になります。個人情報中心なら適しているのはPマークです。
Pマークは個人情報を保護するための規格であり、人材派遣や通信販売などの業種で取得するケースが多くあります。

対して、情報資産全体を扱うならISO27001が適しています。
ISO27001ではすべての情報資産が保護・管理の対象となるためです。委託開発などの業種で広く取得されています。

ISO27001が対象とする情報資産については、以下の記事でくわしく解説しています。
ISMSにおける情報資産とは?例や洗い出しの方法、情報資産管理台帳も解説 – ジーサーティ・ジャパン

営業要件・取引要件はどちらか

営業案件や取引案件で、求められている内容に合わせるのも当然ながら判断の大きな基準となります。

ISO27001を求めてくることが多い発注元の例としては、大企業、SIer、官公庁系、金融、SaaS、インフラなどがあります。これらの企業との取引では、ISO27001の方が有利になりやすいでしょう。

対してPマークを求めることが多い発注元は、人材系(人材紹介、派遣など)、BPO・事務代行、広告・マーケティング(広告代理店・DM配信会社・Webマーケ企業)などです。こういった企業との取引においては、Pマークの取得がおすすめです。

なおPマークは国内規格であるため、海外取引がある場合はISO27001一択と言えます。

継続運用できる体制があるか

「継続運用できる体制の有無」について大まかには以下の傾向があります。

継続できる体制があるなら、ISO27001向きです。体制があるのは大企業が多いと考えられますが、大企業はサプライチェーンの要求など個人情報以上の管理が必要です。そのためISO27001が求められることが多くあります。またISO27001は運用設計の負荷が高いですが、対応できる体制があれば問題ないでしょう。

これに対して継続できる体制がない場合は、Pマークの方が取得・運用しやすいと言えます。体制が整えづらいのは主に中小企業です。中小企業は、まずは営業要件を満たすためにPマークを取得することが多くあります。

取得後の運用フェーズも比較しておきましょう。ISO27001はPDCAを回し続ける必要があります。それに対してPマークは業務が固定化されており、何をすべきかが明確でやりやすい面があります。そういった点でも、余力が少ない場合はPマークが運用しやすいと言えます。

ただし要注意ですが、上記のケースが絶対とは言い切れません。そうなりやすい傾向がある、相性がよいということであり、例外もあります。

ISO27001は小規模事業者の取得も増えている

ISO27001は小規模事業者の取得も増えてきています。
大企業の取引要件や、サプライチェーン全体でのセキュリティ強化(サプライチェーン攻撃への対策)を目的として、中小・小規模企業へ取得を求める動きが急速に広がっているためです。運用・管理しやすいクラウドツールの普及などが後押ししている側面もあります。

IT系企業(システム開発、SaaSベンダー、Webサービス全般、Web制作など)が圧倒的多数を占めていますが、最近は非IT業種でも取得が急増しています。たとえば、印刷・梱包・発送業、コンサルティング・士業:、製造業(サプライヤー):、人材派遣・紹介業などです。

なおPマークは、企業規模を問わず個人情報を扱う企業に安定して広がっている状況です。

それぞれの費用対効果

ISO27001もPマークも、費用対効果についてはケースバイケースです。

取得の費用はすでに解説した通りです。加えてISMS・Pマークとも、維持・更新の審査費用、人件費、(利用する場合の)コンサルやツールの費用をを合わせたトータルがコスト総額となります。

営業・取引・セキュリティチェックシート・入札・信頼性において得られる収入で、費用対効果が変わってきます。どちらの規格も大企業の取引条件となることが多く、大企業と取引ができる可能性が高まるという調査もあります。つまり高い費用対効果が期待できるということです。

ただし、どちらの規格も費用対効果を中心に考えるのは本来の目的からややズレています。社内の情報管理のセキュリティレベルを高めること、企業の信頼度を高めることを実現させる「投資」と考えるべきでしょう。

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取得する方法は主に3つ

ISO27001・Pマークとも、取得する方法は「内製」「コンサル利用」「ツール利用」の3つです。

とくにISO27001は専門知識に基づく制度設計が必要なため、コンサルを利用して取得する割合が高いと考えられます。Pマークも社内の体制によってコンサルやツールを利用するケースは少なくないでしょう。どちらの規格も専門知識がある人材がいない限り、完全に内製で取得するのは現実的には難しいかもしれません。

コンサルに依頼する場合、費用はかかるものの期間の短縮などメリットも多くあります。トータルでは低コストの取得が可能だと言えるでしょう。なおツールは、取得より運用フェーズの方が活用しやすい傾向があります。

取得までの流れ

最後に、それぞれの規格について取得までの流れを確認します。

ISO27001の場合

大まかにいうと、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を構築・運用した実績が審査されます。流れと平均的な期間は次の通りです。

  • 1. ISMS構築(認証範囲の決定、方針決定・リスクアセスメント作成など)
  • 2. ISMS運用(内部監査・マネジメントレビューを含む)
  • 3. 審査~認証(審査は1次・2次あり)

準備開始から取得まで半年~1年程度が目安となります。取得に当たって初めにやるべきことは、適用範囲とセキュリティ管理の基本方針を決めることです。ISO27001は会社や支社の一部門に限定して取得することが可能なため、取得範囲の決定も運用に大きく関わる要素となります。

ISO27001取得の流れや期間については、以下の記事でくわしく解説しています。
ISMS認証とは?メリットとデメリット・費用・取得方法【5分でわかる】
ISMS取得にかかる期間は?最短と平均、最短で進める条件を解説

Pマークの場合

Pマークの取得も、まず個人情報マネジメントシステムを策定し、運用実績を作ってから申請します。運用実績が必要なのはISO27001と同じです。大まかには次のような流れとなります。

  • 1. 方針決定と規定作成
  • 2. 運用(教育・内部監査含む)
  • 3. 審査~取得(書類審査・現地審査)

まとめ

ISO27001もPマークも、それぞれ独自のメリットがあります。そのため自社に合った規格を選ぶことが重要になります。いろいろなポイントから、総合的に判断することが最終的に役立ちます。また取得だけでなく運用し続けていくことを考慮することも重要です。

ぜひこの記事を参考に、自社に合っていて費用や労力に見合った効果が得られる規格はどちらか比較検討してみてください。

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小林 卓慈
小林 卓慈ISO審査員

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