ISO14001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO14001)

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ISO14001

ISO14001における力量とは?

2022.05.26
ISO14001における力量とは?

この記事の3つのポイント

  1. どの役割の人に、どんな力量が必要なのかを組織の状況・運用を踏まえて決定する事が大切
  2. 必要な力量を備える為に教育訓練や指導、採用などの「処置」を実施する必要がある
  3. 教育結果等力量を把握できる記録があある事で、有効性の評価を行う事が出来る

ISO14001(環境マネジメントシステム)における「力量(7.2項)」とは、該当する業務を担当するための資格や技能のことです。

ISO14001(環境マネジメントシステム)を運用するうえでは、人の能力も大切です。
理想の能力と現状の能力の差を明確にしましょう。

ポイントは以下の3つです。

  1. 環境に関連する業務に必要な人々の力量を決定する
  2. 必要な力量を備えるために教育訓練、指導などの処置を実施する
  3. 力量の証拠として、適切な文書化した記録を保持する

それでは、ひとつひとつ詳しく見ていきましょう!

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ポイント①環境に関連する業務に必要な人々の力量を決定する

企業が事業を行うと、多かれ少なかれ環境に対しての影響を与えることになります。
印刷用紙を使ったり、電気を点けたり、廃棄物を出したり、あらゆる影響があります。

組織で働いている人は、日々の業務を通して、必ず環境に影響を与えています。
「環境に関連する業務に必要な人々」とは、つまり、組織で働く全ての人を指します。

どの役割の人に、どんな力量が必要なのかを組織の状況・運用を踏まえて決定する事が大切です。

ポイント②必要な力量を備えるために教育訓練、指導などの処置を実施する

環境マネジメントシステムを運用するにあたり、必要な力量を備えなければなりません。
そのために、教育訓練や指導、採用などの「処置」を実施する必要があります。

処置には下記のようなものがあります。

社内研修必要な技能や知識を習得してもらう機会を提供する。
採用必要な技能や知識を持つ人材を採用する。
配置転換必要な技能や知識を持つ人材を該当部署に異動させる。

必要な処置は、組織の状況によって異なります。

例えば、組織内に必要な技能や知識を持つ人材がいれば、配置転換で対応することができます。
しかし、そういった人材がいない場合は教育によって必要な技能や知識の習得を図ったり、人材を採用したりする必要があります。

そのため、安易に他社の真似をするのではなく、「自社にとって必要な処置は何か」という観点が必要です。

力量の種類によって難易度や習得までの期間が異なります。

平易且つ短期間で備えることができる力量であれば社内研修によって身に付けることが可能かもしれません。
反対に、難易度が高くて習得に長期間要する力量であれば、該当の力量を持つ人材を採用する方が早いかもしれません。

組織の状況と、力量の難易度や習得期間を基に、どうしていくのか?を検討する形になります。

ポイント③力量の証拠として、適切な文書化した記録を保持する

力量が備わっていることの証拠として、記録を残しておかなければなりません。
記録の種類には例えば下記のようなものがあります。

力量の証拠として、適切な文書化した記録を保持する

それぞれ詳しくみていきましょう。

「力量の明確化」の証拠として作成するもの:力量表、有資格者一覧表

力量表誰に、どんな力量があるのか(ないのか)
有資格者一覧表誰が、どんな資格を持っているのか(持っていないのか)

「計画書の作成」の証拠として作成するもの:教育計画書

教育計画書いつ、誰に、どんな教育をするのか

「教育・訓練の実施」「有効性の評価」の証拠として作成するもの:教育記録

教育記録いつ、誰に、どんな教育を実施したのか

上記の記録を残しておく事で、社内での力量把握や教育活動がよりスムーズになります。
実施のあり方は組織によって様々ですが、ISOを通して教育や力量についての仕組み改善に繋げて頂ければと思います。

当コラムが、皆様のISO14001(環境マネジメントシステム)における「力量(7.2項)」への理解と環境保全活動の一助となれば幸いです。

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小林 卓慈
小林 卓慈ISO審査員

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