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ISO9001のアウトプットとは?

2022.10.28
ISO9001のアウトプットとは?

アウトプット」とは、一般的に「成果物」や「結果」という意味で使われますが、ISO規格における「アウトプット」が具体的に何を指しているかは、各項番によって異なります。
ちなみにISO9001の規格書の中に「アウトプット」という言葉は18回登場します。

今回はISO9001の規格書の中で登場する項番ごとに、その「アウトプット」が何を指しているのか、簡単ご説明致します。

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目次

  • 「アウトプット」という言葉が登場する項番一覧
  • 各項番における意味
  • まとめ

「アウトプット」という言葉が登場する項番一覧

ISO9001規格の中で「アウトプット」という言葉が登場するのは、以下の14項番です。

「アウトプット」という言葉が登場する項番:4.4.1 a)項、5.3 b)項、8.1 e)項、8.3.4 c)項、8.3.5項、8.4.2 b)項、8.5.1 c)項、8.5.1 f)項、8.5.2項、8.5.4項、8.7.1項、8.7.1 d)項、9.3.3項、10.3項

各項番における意味

それではそれぞれの項番における意味を見ていきましょう!

4.4.1 a)項

「これらのプロセスに必要なインプット、及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを明確にする。」

インプットとアウトプットの相互作用を明確にすることが求められています。
インプットとアウトプットのつながりを意識しましょう。

5.3 b)項

「プロセスが、意図したアウトプットを生み出すことを確実にする。」

みなさまの職場において、各々、責任と権限が明確になっていることと思います。
意図したアウトプット(例えば、良い製品の提供)を生み出すために最適な組織体制にしていきましょう。

8.1 e)項

「この計画のアウトプットは、組織の運用に適したものでなければならない。」

「この計画のアウトプット」とは、規定書、フロー図、管理図などのことです。実際の運用に即した書類を作成しましょう。

8.3.4 c)項

「設計・開発からのアウトプットが、インプットの要求事項を満たすことを確実にするために、検証活動を行う。」

設計・開発のアウトプットは、インプットの要求事項を満たしていなければいけません。それを確認するために、異なる視点から確認することや、過去に実績のある設計・開発結果と比較することが有効です。

8.3.5項

「組織は、設計・開発からのアウトプットが、次のとおりであることを確実にしなければならない。」

下記のa)~d)を確実にしましょう。
a) インプットで与えられた要求事項を満たす。
b) 製品及びサービスの提供に関する以降のプロセスに対して適切である。
c) 必要に応じて、監視及び測定の要求事項、並びに合否判定基準を含むか、又はそれらを参照している。
d) 意図した目的並びに安全で適切な使用及び提供に不可欠な、製品及びサービスの特定を規定している。

————————————————

「組織は、設計・開発のアウトプットについて、文書化した情報を保持しなければならない。」

設計・開発のアウトプットについて、必ず文書化しましょう。

8.4.2 b)項

「外部提供者に適用するための管理、及びそのアウトプットに適用するための管理の両方を定める。」

ここでの「アウトプット」とは、例えば仕様書や図面のことを指します。

8.5.1 c)項

「プロセス又はアウトプットの管理基準、並びに製品及びサービスの合否判定基準を満たしていることを検証するために、適切な段階で監視及び測定活動を実施する。」

アウトプットを管理する基準を決めましょう。

8.5.1 f)項

「製造及びサービス提供のプロセスで結果として生じるアウトプットを、それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合には、製造及びサービス提供に関するプロセスの、計画した結果を達成する能力について、妥当性確認を行い、定期的に妥当性を再確認する。」

工程の全ての段階で妥当性を確認できるわけではありません。ひとつの作業ごとに製品を確認するのは現実的ではないと思います。試作品による確認や、製造方法の確認を行っていきましょう。

8.5.2項

「製品及びサービスの適合を確実にするために必要な場合、組織は、アウトプットを識別するために、適切な手段を用いなければならない。」
「組織は、製造及びサービス提供の全過程において、監視及び測定の要求事項に関連して、アウトプットの状態を識別しなければならない。」
「トレーサビリティが要求事項となっている場合には、組織は、アウトプットについて一意の識別を管理し、トレーサビリティを可能とするために必要な文書化した情報を保持しなければならない。」

アウトプットを「識別」することが求められています。
例えば製造業の場合は、製造した製品の状態を識別することが必要です。

その製品が適合品なのか、それとも不適合品なのか。
出荷承認を得ているのか、それともまだ承認を得ていないのか、わかるようにしておきましょう。

8.5.4項

「組織は、製造及びサービス提供を行う間、要求事項への適合を確実にするために必要な程度に、アウトプットを保存しなければならない。」

製品及びサービスがお客様に届くまで、適切に保存する必要があります。

8.7.1項

「組織は、要求事項に適合しないアウトプットが誤って使用されること又は引き渡されることを防ぐために、それらを識別し、管理することを確実にしなければならない。」
「組織は、次の一つ以上の方法で、不適合なアウトプットを処理しなければならない。」

例えば製造業において、不適合品を製造してしまった場合は、適合品と混同しないように識別し、管理しなければいけません。

8.7.1 d)項

「不適合なアウトプットに修正を施したときには、要求事項への適合を検証しなければならない。」

不適合品を修正したとき、お客様に引き渡せる状態になっているかどうか確認が必要です。

9.3.3項

「マネジメントレビューからのアウトプットには、次の事項に関する決定及び処置を含めなければならない。」

マネジメントレビューのアウトプットにはa)~c)に関する決定及び処置を含めましょう。
a) 改善の機会
b) 品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性
c) 資源の必要性

10.3項

「組織は、継続的改善の一環として取り組まなければならない必要性又は機会があるかどうかを明確にするために、分析及び評価の結果並びにマネジメントレビューからのアウトプットを検討しなければならない。」

アウトプットを検討し、品質マネジメントシステムをより良いものにしていきましょう。

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まとめ

いかがでしょうか。
一言でアウトプットと言っても、ISO9001規格の中では様々な意図で使用されています。

各項番の詳細は、弊社の他のコラムをご参照ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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西山 慎太郎
西山 慎太郎ISO審査員

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