ISO14001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO14001)
ISO14001 コラム
ISO14001には「3年」という更新期間(有効期限)が設けられています。
ただし、取得後にこの更新期間まで何もしなくても良いというわけではなく、ISO14001を維持し続けるためには、取得後も1年ごとに維持審査や更新審査を受ける必要があります。
本コラムではISO14001を維持するために必ず受ける必要のある維持審査と更新審査について、それぞれの審査の流れや審査で見られるポイントを詳しく解説します。
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冒頭でもお伝えしたとおり、ISO14001の更新期間(有効期限)は3年です。
ISO14001を維持するためには、この更新期間の間に以下のサイクルで維持審査と更新審査を受ける必要があります。
続いてそれぞれの審査について解説してまいります。
ISO14001の維持審査とは、1年に1回(更新審査を受ける年を除く)、前回の審査後にISO14001の運用が問題なく継続されているかを確認するための審査です。
審査機関によっては「定期審査」「サーベイランス審査」と呼ばれることもあります。
※弊社GCERTI-JAPANでは「維持審査」と呼びます。
維持審査ではISO14001の運用において重要な部分のみをチェックされます。
そのため、取得時のようにISO14001のマネジメントシステムに関わるすべての項目が審査されるわけではなく、全体のおおよそ50〜60%程度の内容が審査の対象となります。
ISO14001の維持審査は以下の流れで行われます。
1年目(第1回目)と2年目(第2回目)で大きな違いはありません。
維持審査では過去1年分の運用記録が見られます。
特に必須の運用記録は以下の7点です。
これ以外にも現場の記録や現物等を要求されることもあります。
ただし、前項でもお伝えしたとおり維持審査ではISO14001のマネジメントシステムに関わるすべての項目が審査されるわけではなく、全体のおおよそ50〜60%程度の内容が審査の対象となります。
記録についても「すべてを網羅した完璧なもの」を求められるわけではないため、まずは上記7つの運用記録を見せられるようにだけしておきましょう。
ISO14001の更新審査とは、更新期間(有効期限)である3年の間のISO14001運用状況を確認し、ISO14001の登録を更新しても問題ないかを確認するための審査です。
審査機関によっては「再認証審査」と呼ばれることもあります。
※弊社GCERTI-JAPANでは「更新審査」と呼びます。
ISO14001のマネジメントシステムが適切に運用され、ISO14001の登録に適合した状態が維持されているか、更新期間(有効期限)の間に発生した新たな問題点・改善点を放置することなく、PDCAサイクルを回して継続的な改善が行われているかも確認されます。
維持審査のように部分的な審査ではなく、取得時の審査と同じように文書を含めISO14001のマネジメントシステムに関わるすべての項目が審査されます。
また、取得時の審査のように3ヶ月程度の運用期間ではなく、過去3年間のすべての運用状況が審査の対象期間となります。
上記の通り審査の対象範囲・対象期間が増えるため、当然、維持審査よりも審査員の人数や審査の工数が増え、維持審査では出なかった指摘を受けることもあります。
「大変そうだな」「落ちてしまったらどうしよう」と不安に思われるかもしれませんが、ISO14001を適切に運用していれば大丈夫です。
より安心して更新審査に臨んでいただけるように、更新審査の流れと見られるポイントを次項でご紹介いたしますので、ぜひご一読ください。
ISO14001の更新審査は、更新期間(有効期限)満了の約2ヶ月ほど前に審査機関と協議して決められた日程で行われます。
審査は1日かけて行われ、審査の対象範囲や期間が増えるため、維持審査では出てこなかった指摘が出てくることがあります。
しかしこの更新審査に合格することによって、また次の3年間もISO14001認証を更新して保持し続けることができます。
更新審査の1日の流れは以下の通りです。
まずは自社側の出席者(代表者やISO担当者など)の自己紹介を行います。
審査員から名刺を求められる場合もあります。事前に用意しておきましょう。
代表者が過去3年間の運用状況について審査員からインタビューを受けます。
具体的には、ISO14001マネジメントシステムを運用している業務・ISO14001取得後に起きた変化、現在の売り上げ状況などについて聞かれることがあります。
審査員が管理責任者に対して、ISO14001に関わる文書を確認しながら気になる事案について指摘します。
社内のISO担当者が同席することもできます。
審査員が実際に実務を行っている作業員の姿を見ながら、ISO担当者へ色々と質問します。
ISO14001の要求事項におけるすべての項目がチェックされます。
部署ごとに実態をヒアリングされます。
更新審査の参加者が集まり、審査員からの講評が行われます。
観察事項や不適合の指摘を受けた場合は、改善策を検討しましょう。
不適合が出た場合は1ヶ月以内に是正対応する必要があります。
問題の有無に関わらず、審査機関は常に現状維持以上の改善を求めていきます。
審査での指摘にはマイナスイメージが強いものですが、見方を変えれば審査員という客観的な立場の人から「こうしたらもっとよくなる」という改善点を指摘してもらえる場であるとも言えます。
次回さらに良いマネジメントシステムをどのようにすれば運用できるか審査員からアドバイスを受け、一緒に次期の更新目標を策定していきましょう。
上記①~⑦の工程で更新審査は終了です。
その後、審査員が判定委員会に登録更新推薦を行い、合格したタイミングでISO14001登録証の更新が行われます。
いかがでしたか?
ISO14001は取得すれば終わりではなく、更新期間(有効期限)の中で1年毎に維持審査や更新審査を受けることでようやく維持できます。
面倒に思われるかもしれませんが、審査を受けることで社内では気づけなかった改善点をみつけることもできます。
ぜひポジティブにとらえて頂き、ISO14001を有意義に運用していきましょう。
本コラムが皆さまのISO14001の更新期間(有効期限)や維持審査・更新審査に関する疑問を解決する一助となりましたら幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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