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その他の規格 コラム
近年、企業の情報漏洩が頻発しており、もし自社で情報漏洩してしまったらどうしようと他人事ではいられない企業様が多いと思います。
万が一情報漏洩する事態に陥ったときは、損害賠償の支払いや社会的信頼を失い、最悪の場合は事業継続が不可能ということまで発展する危険性があります。
その為、以前よりも適切な情報セキュリティ対策を取ることが重要視する企業様が増加しており、こうしたリスクを回避するためにPマーク(プライバシーマーク)やISMS(Information Security Management System)といった第三者機関の外部監査を受け、個人情報保護や情報セキュリティを確保することが重要視されてきております。
ですが、プライバシーマーク(Pマーク)を取得した結果、業務以外のタスクが増えた、外部監査の為に書類を作っている等とプライバシーマーク(Pマーク)って意味がないんじゃないかと疑問に感じられる企業様も多くいらっしゃいます。
当コラムではプライバシーマーク(Pマーク)を取得するメリット・デメリットについて解説していきます。
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プライバシーマーク制度は、日本産業規格のJIS Q 15001「個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合して、個人情報の適切な保護のためのシステムを整備している事業者等を第3社の審査機関が認証する制度のことです。
認証された場合は、ホームページや名刺等にプライバシーマーク(Pマーク)を使用することができ、個人情報を適切に取り扱う安心な事業者としての証明にすることができます。
プライバシーマーク(Pマーク)取得の流れは大きく6つに分けられます。
組織内での個人情報保護に関するマニュアル、ルール作成をする必要があります。
マニュアル、ルール作成には注意点があり、JIS Q 15001「個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」の内容に沿って作成しなければなりません。
そして実際に作成したマニュアル、ルールを運用していきます。
運用していきながら、JIPDEC(一般財団法人 日本情報経済社会推進協会)にプライバシーマーク(Pマーク)の申請を行います。
その後、文書審査が実施され、現地審査という流れで進んでいきます。
企業がプライバシーマーク(Pマーク)を取得した場合のメリットについて大きく3つあります。
プライバシーマーク(Pマーク)は幅広く社会全体で認知度が高く、プライバシーマーク(Pマーク)を取得している企業には消費者・取引先も安心して個人情報を提供できる印象があります。
よって対外的にイメージアップさせることで、結果的に販売促進や事業拡大などに繋げることができます。
建設業などは、官公庁・自治体からの工事案件について入札する機会があると思います。
現在、官公庁の入札条件にはプライバシーマーク(Pマーク) の取得が挙げられている場合もあり、入札するときには競合他社より有利に働くこともあります。
従業員に対しては、プライバシーマーク(Pマーク)に関する教育を年1回行うことが求められ、定期的に教育することにより、従業員のセキュリティ意識を向上させることができ、個人情報漏洩の危険性も減少させることに繋がります。
プライバシーマーク(Pマーク)を取得することは良いことばかりではないことも事実です。
デメリットについても大きく4つあります。
プライバシーマーク(Pマーク)取得には、外部審査を受けるために費用がかかります。
取得費用は企業規模によって様々であり、数十万円で済む場合もあれば、数百万円かかってしまう場合もあります。
さらに1回の審査で終了ではなく、取得後も2年ごとに更新する必要があり、その度に審査費用が必要になってきます。
プライバシーマーク(Pマーク)取得には多くの時間がかかります。
まずはJIS Q 15001の要求事項に沿って社内のルール作り(約1〜5ヶ月)、JIPDECの指定機関に審査依頼し、2回の審査を受けた結果合格するとプライバシーマーク(Pマーク)を取得することができます。
申請から合格までは約2〜4ヶ月の時間がかかります。
最短でも5か月、最長なら1年くらいはかかってしまうと想定しておく必要があります。
プライバシーマーク(Pマーク)を取得すると、PMS(個人情報保護マネジメントシステム)に沿った業務ルールを追加する必要性があるので、従業員の側面で見ると、余分な作業が増加してしまう可能性があります。
それ以外にも、正しくPMSを運用している証拠として記録を残したりもしなければなりません。
結果として、余分な作業が増えて、これまでよりも生産性が落ちる可能性があります。
具体的にPMSが実施しなければいけないことは以下になります。
プライバシーマーク(Pマーク)は日本国内に拠点を持つ企業が対象であり、海外の認知度は0に等しいものになります。
そのため国際ビジネスにとってはアピールポイントになりにくい点は注意すべきところになります。
よって、海外企業向けにアピールしたい場合はISMS(ISO27001)を取得する方が適しています。
プライバシーマーク(Pマーク)を取得することはデメリットもありますが、正しいルール作りをすることで有効的な運用ができ、教育を通して、従業員の個人情報保護に対して理解を深めていくことで、余分な作業と感じさせないような取り組みにすることで会社に大きな良い影響をもたらす可能性も秘めています。
コラム内容を確認していただき、プライバシーマーク(Pマーク)に対するメリット・デメリットの大枠は理解していただけたことと思います。
その結果、自社にとってプライバシーマーク(Pマーク)は本当に必要かどうか精査するきっかけになれば幸いです。
当コラムを最後までお読みいただきありがとうございました。
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