ISO14001
COLUMNISO規格の知識コラム(ISO14001)
ISO14001で立てた環境目標を達成するためには、PDCAサイクルを回すことが必要です。
本記事では、みなさまの組織において環境目標をどうやって達成していけば良いのか、製造業における電力使用量を例に挙げながらPDCAに基づいて解説します。
まずはISO14001の規格書に記載されている環境目標に関する要求事項を見てみましょう。
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6.2.1 環境目標
組織は、組織の著しい環境側面及び関連する順守義務を考慮に入れ、かつ、リスク及び機会を考慮し、関連する機能及び階層において、環境目標を確立しなければならない。
環境目標は、次の事項を満たさなければならない。
a)環境方針と整合している。
b)(実行可能な場合)測定可能である。
c)監視する。
d)伝達する。
e)必要に応じて、更新する。
組織は、環境目標に関する文書化した情報を維持しなければならない。
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PDCAサイクルをまわすにあたり、計画(目標設定)はかなり重要です。
みなさまの組織において環境目標をどうやって達成していけば良いのか、PDCAに基づいて解説します。
Plan(計画):やり方を決める。
↓
Do(実行):決めたとおり実行する。
↓
Check(チェック):結果をチェックする。
↓
Action(処置・改善):見直し、改善する。
↓
Plan(練り直した計画):うまくいったやり方は継続する。うまくいかなかったやり方は変える。
↓
Do(実行):決めたとおりに実行する。新たなやり方を試す。
↓
Check(チェック):練り直した計画がうまくいったのかチェックする。
↓
Action(処置・改善):見直し、改善する。前回のPDCAと比較する。
ISOでは、PDCAサイクルの仕組みを構築していくことと、継続的に運用していくことが求められています。
何のためにPDCAを回すのかというと、ISO14001の意図した結果である「環境パフォーマンス向上」「順守義務を満たす」「環境目標の達成」を追い求めていくためです。
ISO14001認証登録は3年ごとに再認証審査(更新審査)があり、再認証を繰り返して認証登録を維持していく必要があります。
年度ごとに目標数値を上げる、新しい目標を設定するということがオススメです。
「6 計画」全般
「6.1.2 環境側面」
「6.1.3 順守義務」
「7.4 コミュニケーション」
「8.2 緊急事態への準備及び対応」
「7 支援」全般
「8 運用」全般
「9 パフォーマンス評価」全般
「10 改善」全般
最後に、製造業における電力使用量を例に、PDCAサイクルについて説明します。
前提条件は以下のとおりです。
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業種:製造業
目標例:電力使用量5%削減
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いかがでしたか?
今回はISO14001のPDCAサイクルについてのお話をさせていただきました。
上記はあくまで参考例となりますが、
みなさまの環境マネジメントシステムのPDCAサイクルに少しでもお役に立てれば幸いです。
マネジメントシステムの中でも特に環境側面をマネジメントし、順守義務を満たしてリスク及び機会に取り組むために用いられるものです。
「環境側面」とは、環境と相互に作用する又は相互に作用する可能性のある、組織の活動又は製品サービスの要素と規定されています。
組織を取り巻く環境(近隣住民・従業員・消費者・自然環境)などに影響する可能性がある、組織の活動や製品及びサーボスの要素を指します。
「環境影響」とは、有害か有益問わず、全体的に又は部分的に組織の環境側面から生じる、環境に対する変化を指します。
「環境活動」とは、省エネやごみの減量、環境に配慮した(環境への負荷を減らす)活動のことです。
「環境マネジメントシステム」とは、そもそもごみを減らすための仕組みの運用やエネルギーの使用量を減らすためのシステムのことです。
一見同じように見えますが、ISOは結果よりも過程を重視するため、結果が出るまでの前提や過程に重きを置いている点に違いがあります。
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