ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)

ISO9001 コラム

ISO9001ISO14001

ISOの「リスク及び機会への取組み」とは?

2023.02.28
ISOの「リスク及び機会への取組み」とは?

ISO9001(品質マネジメントシステム)及びISO14001(環境マネジメントシステム)の6.1項に「リスク及び機会への取組み」が登場します。

この「リスク及び機会への取組み」とは、「組織を、より良くしていくために行うこと」です。

以下、各規格の規格書より引用しながら、解説をしていきます。

ISO・ISMS審査に関するご質問は
お気軽にお問い合わせください!
お問い合わせフォーム

ISO9001(品質マネジメントシステム)

6.1.1

品質マネジメントシステムの計画を策定するとき、組織は、4.1に規定する課題及び4.2に規定する要求事項を考慮し、次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。
a)品質マネジメントシステムが、その意図した結果を達成できるという確信を与える。
b)望ましい影響を増大する
c)望ましくない影響を防止又は低減する。
d)改善を達成する。

6.1.2

組織は、次の事項を計画しなければならない。
a)上記によって決定したリスク及び機会への取組み
b)次の事項を行う方法
1)その取組みの品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施(4.4参照)
2)その取組みの有効性の評価
リスク及び機会への取組みは、製品及びサービスの適合への潜在的な影響と見合ったものでなければならない。

GCERTIのISO9001審査は審査がスピーディ・審査料が安い・お客様の負担が少ない

ISO14001(環境マネジメントシステム)

3.2.10

リスク(risk)
不確かさの影響。

3.2.11

リスク及び機会(risks and opportunities)
潜在的で有害な影響(脅威)及び潜在的で有益な影響(機会

6.1.1 一般

組織は、6.1.1~6.1.4に規定する要求事項を満たすために必要なプロセスを確立し、実施し、維持しなければならない。
環境マネジメントシステムの計画を策定するとき、組織は、次のa)~c)を考慮し、
a)4.1に規定する課題
b)4.2に規定する要求事項
c)環境マネジメントシステムの適用範囲
次の事項のために取り組む必要がある、環境側面(6.1.2参照)、順守義務(6.1.3参照)、並びに4.1及び4.2で特定したその他の課題及び要求事項に関連する、リスク及び機会を決定しなければならない。
― 環境マネジメントシステムが、その意図した成果を達成できるという確信を与える。
― 外部の環境状態が組織に影響を与える可能性を含め、望ましくない影響を防止又は低減する。
― 継続的改善を達成する。
組織は、環境マネジメントシステムの適用範囲の中で、環境影響を与える可能性のあるものを含め、潜在的な緊急事態を決定しなければならない。
組織は、次に関する文書化した情報を維持しなければならない。
― 取り組む必要があるリスク及び機会
― 6.1.1~6.1.4で必要なプロセスが計画どおりに実施されるという確信をもつために必要な程度の、それらのプロセス

GCERTIのISO14001審査は審査がスピーディ・審査料が安い・お客様の負担が少ない

「リスク」とは

リスク」とは、「不確かである」事柄(不確かさ)のことです。
絶対に起こるとは限らないけれど、起きるかもしれない・起こる可能性のある事です。

例えば、悪影響という側面で見ると原材料費高騰、クレーム頻発、人材採用難、販売シェア低下、顧客満足度低下などです。
組織としては、何としても避けたいことですね。

リスクを考える際、「外部の要因」と「内部の要因」の2つの側面から考えていきましょう。

「外部の要因」政治や経済の政策、物価変動、災害、事件、疫病など、「内部の要因」人材、設備、体制、教育、労働環境など

何をリスクと捉えるかは、組織の状況によって異なります。

たとえば、「突発的な疫病の発生」は、小売業にとってはリスクになりますが、製薬会社にとっては機会になる可能性があります。
リスクでも機会でもなく、あまり影響のない組織もあるかもしれません。

組織にとっての起こる可能性のある事柄であると判断した場合は、「リスク」と捉えましょう。

「機会」とは

機会」とは、みなさまの組織に良い影響を及ぼす可能性のある事柄の事(チャンス)です。
販売価格上昇、クレーム数減少、人材採用成功、売上増加、顧客満足度向上などです。

機会も、リスクと同様に、外部の要因と内部の要因があります。
組織にとっての良い影響が大きいと判断した場合は、「機会」と捉えましょう。

組織にとって、ピンチとチャンスは表裏一体です。
リスクを乗り越えた先に機会がある」というイメージです。

会社組織においては、このような例があります。

製造業 リスク 客先流出クレーム増加による顧客満足度低下
機会 品質改善による顧客満足度向上
建設会社 リスク 繁忙期に職人が不足する
機会 打ち合わせを早めに行って職人を確保できれば、多くの工事を受注することができる
IT企業 リスク システムが顧客の要望通りに稼働するかどうかわからない
機会 顧客要求事項を満たし、システム利用が継続し、固定収入が増えれば、プラットフォームをつくるための設備投資ができる

まとめ

ISO9001(品質マネジメントシステム)及びISO14001(環境マネジメントシステム)における「リスク」と「機会」について詳しく解説して参りましたが、いかがでしたか?

みなさまにとっての「リスク」と「機会」、どのようなことがあるかを改めて考えてみると、また新しい発見があるかもしれません。

そしてISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001(環境マネジメントシステム)の要求に沿って「リスク」「機会」を決定し、それらに対してどう取組みを進めていくのか決めてマネジメントシステムを有効活用していただければ、より良い組織・事業の展開作りにつながることと思います。

本記事がみなさまの参考になりましたら幸いです。

  • SNSでシェアする

1分でカンタン!
なんでも質問フォーム

株式会社GCERTI-JAPAN
ISO審査機関です。
コラムの内容やISOに関することでお困りの際はお気軽にご相談ください。
ISO審査員がお答えします。

西山 慎太郎
西山 慎太郎ISO審査員

「企業の仕組み」に、ISOという観点で携わることができ、非常に嬉しく思います。ISO審査を通してお客様のご支援ができるよう、一日一日を大切にして自己研鑽していきます。

お問い合わせはこちら
お問い合わせはこちら
無料お見積もり お問い合わせ

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial