ISO9001 COLUMNISO規格の知識コラム(ISO9001)
ISO9001 コラム
ISO規格には大きく分けて製品そのものを対象とする「モノ規格」と組織の活動を管理するための仕組み(マネジメントシステム)を対象とする「マネジメントシステム規格」という2種類の規格があります。
そもそも、ISOとはスイスのジュネーブに本拠地がある国際標準化機構ISO(正式名称「International Organization for Standardization」)の略称のことでです。
ISOは国際的な共通規格を制定することを目的として活動しており、このISOが制定した規格を「ISO規格」といいます。
本記事では、ISOにおける「モノ規格」と「マネジメントシステム規格」がどういったものなのか、また具体的にはどんな種類の規格があるのかをご紹介いたします。
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「モノ規格」とは、時間の単位、質量や長さ、案内標識、コンセントやプラグなどの「モノ」に対して世界共通の基準を定めるための規格です。
簡単に言い換えると「世界共通のものさし」といったところでしょうか。
国際間での取引の際に国ごとに製品のサイズや品質・保証される安全性の基準が違っているとあらゆる面で支障が生じてしまいますよね?
ISOモノ規格はこれらの支障を回避し、国際間の取引をスムーズにするのに一役買っています。
身近な例としては、非常口のマーク(ISO 7010)やカードのサイズ(ISO/IEC 7810)、ネジ(ISO 68)といったISO規格が挙げられます。
「マネジメントシステム規格」とは、製品そのものではなく、組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組み(マネジメントシステム)について制定されたISO規格です。
このマネジメントシステム規格の対象となるのは、マネジメントシステムを運用する企業などの「組織」です。ここでいう「組織」とは2人以上の集まりのことで、企業だけではなく病院や地方自治体等の団体も含まれます。(個人は対象となりません。)
本記事では企業を対象としてご説明させていただきますが、企業に所属する社員が全員で同じ目標に向かって活動をするためには、適切なマネジメント(管理)が必要不可欠です。
特に企業規模が大きく対象となる社員が多ければ多いほどマネジメントは企業運営の重要なファクターとなります。
適切なマネジメントのためには社員全員が企業内で設けられたルール(規定や作業手順など)を遵守する必要があります。
さらにそのルールを運用するために各部署や部門ごとに責任者を決め、その責任者に明確な権限を与えることによってより円滑な企業運営が可能となります。
上記のようなルール(規定や作業手順など)やそれを運用するための社内体制(責任や権限)を「マネジメントシステム」といいます。
つまり、マネジメントシステムとは皆がスムーズに同じ目標に向かって活動をするための仕組みのことで、「ISOマネジメントシステム規格」とは、「ISOが策定したマネジメントシステム(仕組み)に関する規格」ということになります。
ISO規格は現在5万種類以上あります。
前項でお伝えした通り、その中でも特に企業活動に関わりが深い規格がマネジメントシステム規格になります。
ここでは特に日本での取得件数の多いマネジメントシステム規格をピックアップしてご紹介いたします。
ISO9001はISOが定めた品質マネジメントシステム規格で、品質管理の国際基準に基づき製品やサービスの品質を継続的に向上させることを目的としています。
長期的に良い品質の製品やサービスを顧客に提供し続けられるように社内のマネジメントシステムを整えることで、顧客満足の向上はもちろん、生産性の向上による利益率アップとコスト削減が期待されます。
ISO9001(品質マネジメントシステム)についてはこちらの記事でさらに詳しくご説明しております。
併せてご参照ください。
ISO9001とは?基本から解説します
ISO14001はISOが定めた環境マネジメントシステム規格で、サステナビリティ(持続可能性)の考えのもと、環境リスクの低減および環境への貢献を目的としています。
企業の活動が環境(自然・人・物)に悪い影響を与えていないか、もし与えているのであれば改善するためのシステムを構築することを求められます。
ISO14001(環境マネジメントシステム)についてはこちらの記事でさらに詳しくご説明しております。
併せてご参照ください。
ISO14001とは?基本から解説します
ISO27001(ISMS)はISOが定めた情報セキュリティマネジメントシステム規格で、情報の「機密性」「完全性」「可用性」という3つの項目を適切にマネジメントし、有効活用するための組織の枠組み作りを目的としています。
情報の「機密性」「完全性」「可用性」とは、情報セキュリティ(企業が所持している情報が外部に漏洩しないために行う取り組み)を脅かす脅威への対策において重要なファクターのことです。
ISO27001(ISMS)(情報セキュリティマネジメントシステム)についてはこちらの記事でさらに詳しくご説明しております。
併せてご参照ください。
ISO27001(ISMS)とは?基本から解説します
食品安全マネジメントシステム。HACCPの商品衛生管理手法を基に消費者への安全な食品提供を可能にする食品安全マネジメントシステム(FSMS)の国際規格で、取得が大手食品メーカーや小売との取引条件になる事も多いです。
ISISクラウドセキュリティ認証。クラウドサービスを前提にした管理策を実装する為の規格で、クラウドサービスを活用しているカスタマやプロバイダ等を対象としている管理策で構成されています。
ITサービスマネジメントシステム。ビジネス上での要求に合わせて管理されているITサービスを効果的に提供するために実現する項目を規格としたもので、ITサービスを一貫した品質で絵提供し顧客満足を向上させるためのものです。
情報セキュリティ管理策の実勢のための規範。ISO27001の附属書Aに書かれている、管理策を組織の中で取り組む時の実施方法等についてを記載しています。
事業継続マネジメントシステム(BCMS)に関する国際規格で、地震・洪水・台風などの自然災害をはじめ、システムトラブル・感染症の流行・停電・火災といった事業継続に対する潜在的な脅威が発生した際、迅速に対策を行うための枠組みのことです。
試験所認定と呼ばれる規格で、試験所や校正機関が正確な測定・校正結果を生み出す能力があるのかどうかを認定する規格の事です。
エネルギーマネジメントシステム。事業者が省エネ・節電を行うのに必要な方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を実施できるようにした仕組みを規定している規格の事です。
道路交通安全マネジメントシステム。道路交通事故による死亡者や重傷者を減らすための管理体制のことを規定している規格です。
医療機器産業に特化した品質マネジメントシステムに関する規格で、医療機器に関する規制において、品質管理の手法の基礎となるものとして採用されています。
品質マネジメントシステムであるISO9001の内容に、航空宇宙業界特有のリスク管理であったり、プロジェクト管理、形態の管理等の要求事項が追加された規格で、機能性や安全性に関わる点が特に重視される要求事項となります。
アセットマネジメントシステム。アセットマネジメントシステムとは資産管理の事を指し、アセットとは物だけではなく人や情報、信頼関係なども含まれます。それら資産管理が適切に実施され、目標を達成するための組織経営の仕組みを定めた規格です。
教育組織マネジメントシステム。塾や予備校、各専門学校や教育訓練施設などが、受講者のニーズ及び期待を把握し、専門的な学習サービスを提供できる仕組みの確立を見る規格です。
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